【高論卓説】突然だった総選挙、「なぜ今」残る疑問 「悪用」される7条解散 (2/2ページ)

開票速報場で当確のバラを付ける安倍晋三首相(右)=22日午後、東京・永田町の自民党本部(松本健吾撮影)
開票速報場で当確のバラを付ける安倍晋三首相(右)=22日午後、東京・永田町の自民党本部(松本健吾撮影)【拡大】

 総理の解散権の制約は、憲法改正すればより担保されるが、改正しなくても、7条解散の「悪用」を、内閣全体で行わないようにすればよいだけである。内閣を構成する政治家の良識があれば済む話だ。

 2つ目の問題は、選挙制度である。現行の小選挙区比例代表並立制で今回8回目の選挙となった。最初の選挙から21年たったが、そのうちの3回は、この5年間に行われたことになる。今回は区割りの変更もあり、投票券が送られてきて初めて、自分の選挙区が変わったことを知った有権者も多い。しかし、選挙区がどこであれ、本来国会議員は、政策を掲げる政党の代表者として付託される存在である。

 特に小選挙区制では、各選挙区で政党の唯一の候補者となる。選挙区の場所や大小は関係ないはずだが、それには併せて地方分権がなされていることが条件だ。今の日本では、地方議員より狭い範囲から国会議員を選ぶことにはかなりの違和感がある。

 比例代表制度の趣旨を適切に運用せず、復活当選のために悪用していることも大きな問題だ。惜敗率の順位付けが公正だと解釈されているが、そもそも重複立候補自体が、政治家の保身であり適切ではない。比例代表には、党の代表としてふさわしい候補者を、政党が責任をもって選び、順位をつけるべきだ。

 今回の選挙は、その意味よりも、解散や制度の問題がより浮き彫りになった。選挙は何より、国民のためにある。国民が疑問に思うことは直ちに改善することが、政治家の責務であることを自覚してもらいたい。

【プロフィル】細川珠生

 ほそかわ・たまお ジャーナリスト。元東京都品川区教育委員会教育委員長。テレビ・ラジオ・雑誌でも活躍。千葉工業大理事。一児の母。父親は政治評論家の故細川隆一郎氏。