【マネー講座】《債券入門》(1)〈債券とは〉資金を借りた証拠として発行 (2/4ページ)

 企業が長期の資金を調達する手段としては、「株式」もあります。株式は、企業が株主に出資をしてもらった証として発行する証券で、株主は出資者として企業の一部を所有するため、企業は調達資金を返済する必要がありません。

 一方、債券はいわば借金ですので、返済期日が定められています。また、利息の支払いなど、さまざまな約束ごとが決められています。詳しくは次回に説明します。

債券の種類

 債券には細かく分類すると非常に多くの種類があり、全体を網羅しようとするとかえってわかりにくくなるため、基本的な条件に着目して、どのような種類があるかをみていきましょう。

 まず、返済期日までの期間によって、「短期債」=1年以下、「中期債」=1年超~5年以下、「長期債」=5年超~10年以下、「超長期債」=10年超、と分けられます。なお、1年超~10年未満を長期債として分類する場合もあります。

 次に、利息の支払われ方による分類には、主に4つあります。①「確定利付債」は発行時に利息や額面が確定している債券です。「固定利付債」ともいいます。最も一般的な債券です。②「割引債」は、保有期間中に利息が支払われない代わりに額面以下で発行される債券です。③「変動利付債」は、通常は固定されている利子率が市場の実勢に応じて変動する債券です。④「物価連動債」は、額面金額が物価の上下に連動して変化する債券です。

債券が取引される市場は2つに大別される