【マネー講座】《債券入門》(1)〈債券とは〉資金を借りた証拠として発行 (3/4ページ)

 最後に、債券を発行し資金を調達する主体、つまり、発行体による分類については、主なものを図に示しました。

 まず、政府・地方自治体等が発行する「公共債」と企業などが発行する「民間債」に分けられます。さらに、公共債は「国債」「地方債」「政府関係機関債」に分類されます。政府関係機関債は、政府保証の有無で分けられることもあります。

 「民間債」は大きく「社債」と「金融債」に分けられますが、企業が発行する債券には、一般的な社債(普通社債)のほかに、債券の裏付けとしてローンなどの担保資産がある債券(資産担保証券)や、株式としての性質を併せ持つ債券(転換社債型新株予約権付社債)など、多くの種類があります。なお、転換社債型新株予約権付社債とは、一定の価格で株式と交換できる権利が付いた債券のことです。

発行市場と流通市場

 ところで、債券はどのような市場で取引されているのでしょうか。少し複雑ですが、債券市場は、新たに債券を売り出す市場(=発行市場)と、すでに発行済みの債券を売買する市場(=流通市場)に分れています。

「発行市場」は「プライマリー市場」とも呼ばれ、政府や企業が資金調達をするために、投資家を募集して新たに債券(=新発債)を売り出す市場です。図にあるように、発行市場では、政府や企業などが債券を発行するのを証券会社や銀行などが手助けします。

債券売買のほとんどは「店頭取引」