
仙台港で運転を開始した石炭火力発電所「仙台パワーステーション」=1月4日、仙台市宮城野区【拡大】
政府がエネルギー基本計画を見直す中、石炭火力発電の新設をめぐり、環境省と経済産業省のさやあてが激化している。国際世論の高まりを背景に二酸化炭素(CO2)排出削減を最優先する環境省とエネルギーの安定供給や経済と環境の両立を重視する経産省の対立は、国内の発電事業者の計画にも揺らぎを生んでいる。
現行のエネルギー基本計画では、石炭火力について原子力と並んで「安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源」としており、経産省は新たな基本計画でもこうした位置づけを維持する見通しだ。
一方、原子力比率をめぐり経産省と対立してきた環境省は反石炭火力の攻勢を強める。地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」のルール作りの交渉期限が今年末に控えており、欧州連合(EU)を中心に脱炭素に向けた国際世論が勢いを増しているからだ。
温室効果ガス削減目標の上積みを各国が議論する中、EUのワークスマン気候変動首席交渉官は「十分な資金があるのに、なぜ再生可能エネルギーの普及を支援する方向にいかないのか」と、経産省が主導する日本のエネルギー戦略に疑問を投げかける。