公示地価 商業地26年ぶりプラス転換 観光地「ブランド」が牽引、格差拡大も (3/3ページ)

ニセコ観光圏は訪日外国人旅行者などでにぎわい商業地としての需要も高まっている=3月下旬、北海道倶知安町
ニセコ観光圏は訪日外国人旅行者などでにぎわい商業地としての需要も高まっている=3月下旬、北海道倶知安町【拡大】

 ■「ブランド」が地域格差引き起こす

 海外投資比率が上昇

 米国の金利上昇の流れも影響する。米国では国債と不動産(都心オフィス)の利回り差が2017年1~3月から3%を切り、不動産投資では低金利の継続が見込まれる日本市場の“お得感”が強い。16年に14%だった日本の商業用不動産の海外投資比率は17年、26%に跳ね上がっている。

 大東氏は「海外マネーの流入は、世界でも観光ブランドとして名の売れるニセコや京都などには有利に働いた」と解説する。

 観光地としての「ブランド」が地方の地価上昇を牽引(けんいん)する構図は、地方間の格差拡大を引き起こす。

 「三崎のマグロ」で知られる三浦半島(神奈川県)の三浦市は地価下落率が住宅地で全国1~3位、商業地でも下落率10位だ。

 京浜急行電鉄の三崎口駅は都心から約1時間の好アクセスだが、年間乗降客数は近年1万8000人前後と訪日客数増加の流れから取り残される。

 「魅力向上へ努力を」

 品川-羽田空港間がドル箱路線に成長する京急は、グループでホテルやレジャー施設も運営する三浦半島のてこ入れに着手。タイや台湾などに事務所を構えてPRを加速。また東京大学の研究チームと共同で三浦半島の魅力について報告をとりまとめ、今後のイベント企画に生かしていく。

 三井住友トラスト基礎研究所の北村邦夫部長は「地価上昇が地方に波及する流れを一過性で終わらせないためには、魅力向上に向けた地元の主体的な努力が求められるほか、海外へのプロモーションなどで後押しする政府の役割も重要になる」と指摘している。(佐久間修志)