【中国を読む】「落としどころ」の見極め必要 米中貿易戦争、日本への影響は (1/3ページ)

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 □第一生命経済研究所・西●徹

 今年3月の米トランプ政権による鉄鋼・アルミニウム製品を対象とする貿易制裁発表以降、世界的な貿易戦争に発展する懸念が高まっている。トランプ政権はその標的を中国に定めており、「米国の知的財産侵害」を理由に、「通商301号」を適用して中国製品に報復関税を課す追加制裁の方針を明らかにした。

 一連の動きを受けて、中国政府は報復措置を決定するなど、事態は大きく動き始めようとしている。ここでは、今後の両国の動きやそれに伴う日本経済などへの影響について考察したい。

 報復の連鎖

 トランプ政権による鉄鋼およびアルミ製品を対象とする貿易制裁の発動直後、中国は対抗措置として128品目に最大25%の関税を課す方針を発表した。ただし、これは「米国による鉄鋼およびアルミ製品の輸入制限への対抗措置」との体裁を採り、世界貿易機関(WTO)が認めるセーフガード(緊急輸入制限)への対抗措置とした。対象品目は果物やナッツ類などの食料品が中心であり、経済への直接的な影響を極力避ける狙いがあったと考えられる。

 しかし、米国は今月3日に通商法301条に基づく貿易制裁の原案を発表し、年間の輸入額が500億ドル(約5兆3675億円)相当の約1300品目に25%の追加関税を課す方針を発表した。

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