【マネー講座】《「もらう」相続》(2)〈相続の承認と放棄〉「要らない財産」への対応 (2/4ページ)

相続放棄の効果

 相続を放棄した人は、初めから相続人ではなかった(相続の上では存在しなかった)ものとされます。

 たとえば、被相続人の債務を相続しないために配偶者と子どもらが相続を放棄すると、被相続人には配偶者も子もいなかったことになり、被相続人の債務は、直系尊属(両親など)や兄弟姉妹らに相続されます。これらの人たちも債務を相続したくないのであれば、熟慮期間内(子どもらの相続放棄により自分が新たに相続人になったことを知った日から3か月以内)に、家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。

 では、関係者全員が相続を放棄してしまうと、被相続人の債務はどうなるのでしょうか。

 相続放棄により被相続人には相続人がいなかった(相続人不存在)ことになりますので、利害関係人などの申立により家庭裁判所が選任する「相続財産管理人」が遺産をすべて換金し、そこから債権者に対する支払いをすることになります。その上で残余があれば国庫に帰属し、全額を弁済できない場合は割合での配当になります。

債務のリスクを免れたうえで遺産を受ける方法

 後継者が被相続人の事業を引き継いでいる場合で、後継者以外の事業とは関係ない相続人が、連帯保証債務の履行などの事業に関する債務負担を求められるリスクを免れるにはどうしたらよいでしょうか。

 確実な方法は相続を放棄することですが、放棄してしまうと全く遺産を受け取れません。それでは困ります。

 実は、被相続人が遺言をしたり保険契約を残したりしてくれれば、税務上若干の不利益はありますが、相続を放棄したうえで、遺言に基づき遺贈を受ける(相続を単純承認する相続人が少なくとも1人はいることが必要です)こと、また死亡保険金(遺産ではなく受取人固有の財産とされています)を受け取ることが可能です。

「限定承認」を活用する手も