同ファンドは、ハイテク企業グループ・紫光集団(ユニグループ)および湖北省武漢市政府系ファンドと、16年7月に設立された長江ストレージに共同出資した。同社は、中国最大の半導体メモリーメーカーとして、武漢に20年に月産生産能力30万枚、30年に同100万枚の巨大メモリー工場を建設する予定だ。これによって、同社は世界の半導体上位10社に躍り出る可能性がある一方、半導体市場は過剰供給に陥るリスクが懸念されている。
政府が主導する産業政策は、往々にして過剰投資を招くものだ。その投資ブームがいよいよ終焉を迎える時期に来ているのかどうか、注意してみていく必要がある。
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【プロフィル】関辰一
せき・しんいち 2006年早大大学院経済学研究科修士課程修了。08年日本総合研究所入社、15年から調査部副主任研究員。拓殖大学博士(国際開発)。専門分野は中国経済。著書に「中国 経済成長の罠」。36歳。中国上海出身。