【高論卓説】米中貿易戦争の本質は価値観の対立 「一つのルールで動く」グローバリズム終焉へ (1/3ページ)

米軍横田基地で在日米軍兵士らを激励したトランプ大統領=2017年11月(松本健吾撮影)
米軍横田基地で在日米軍兵士らを激励したトランプ大統領=2017年11月(松本健吾撮影)【拡大】

 世界の新たな枠組みづくりが進んでいる。トランプ米大統領が仕掛けた米中貿易戦争は、そのきっかけであり、グローバルサプライチェーン(世界的供給網)の再構築を招き、グローバリズムの終焉(しゅうえん)を加速させるものになるだろう。(経済評論家・渡辺哲也)

 グローバリズムとは、ヒト・モノ・カネの移動の自由化であり、これは東西冷戦の終結により成立したものである。1980年代後半、資本主義・自由主義陣営の西側と、社会主義・共産主義陣営の東側との価値観の戦いは東側陣営の敗北で終わった。

 東側陣営の象徴であったソビエト連邦は崩壊し、ベルリンの壁は壊れ、中国は改革開放路線に切り替えた。これにより、世界は一つになるかと思われたのであった。

 そして、冷戦の最大の勝者である米国のルールで世界は動くかに見えた。日本も米国発のグローバルスタンダード(世界標準)の掛け声に踊り、会計基準の変更や金融ビッグバンによる金融市場の開放に動いた。

グローバリズムの最も大切な成立要件