【高論卓説】米中貿易戦争の本質は価値観の対立 「一つのルールで動く」グローバリズム終焉へ (2/3ページ)

米軍横田基地で在日米軍兵士らを激励したトランプ大統領=2017年11月(松本健吾撮影)
米軍横田基地で在日米軍兵士らを激励したトランプ大統領=2017年11月(松本健吾撮影)【拡大】

 グローバリズムの最も大切な成立要件は世界が一つのルールで動くことであり、ルール違反を許さないことである。スポーツに例えれば分かりやすい。一つの大会で複数のルールの採用は許されていない。中国は改革開放の名の下に、段階的な自由化を行い、最終的には西側陣営のルールに従うとして、自由主義市場への参入を許されたわけである。

 しかし、中国はこの約束を守らなかった。為替一つをとってみても、中国は為替の自由化を約束し、人民元がドル、ユーロ、円、ポンドと並ぶ国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨となったが、いまだそれが実現されず、今後も実現する見込みはたっていない。

 市場開放も同様であり、中国資本による米国企業の買収や他国市場への投資は行われているが、中国市場にはいくつもの規制がかかっている。土地売買も同様であり、中国人が日本の土地を買うことはできるが、中国人すら土地の所有を許していない。これは著しく不公正であるといえる。

 そして、グローバリズムによる恩恵を受けて発展した中国は、「新時代の中国の特色ある社会主義」をうたい、「中華民族の偉大なる復興」と「中国の夢」の名の下に、中国が支配する新たな秩序を生み出そうとしている。当然、これは米国のみならず、資本主義・自由主義への挑戦であり、今の世界秩序の破壊行為であるといえるのだ。そして、米国はこれを阻止するために動き出したのである。

「自由」貿易ではなく、「自由で公平な」貿易