【視点】災害時、凶器になりうる「非構造部材」 後回しにした対策、早急な実施を (1/3ページ)

塀が倒壊した高槻市立寿栄小学校=18日午前10時50分、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)
塀が倒壊した高槻市立寿栄小学校=18日午前10時50分、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)【拡大】

 大阪北部地震(6月18日)のブロック塀倒壊事故が示すように、被害は至る所で起きる。建物の耐震化の基本は柱やはりなどがある本体だが、それだけではない。本体に付属する「非構造部材」だ。7月の西日本豪雨など災害時に避難所となる学校や公共施設にも必ずある。にもかかわらず、対策は「本体優先」で後回しにされてきた。(産経新聞編集局編集委員・工藤均)

 非構造部材は柱などの主体構造物と違い、耐震設計に際して耐震要素から除外されているACパネルなどの外壁、天井、建具、間仕切り壁、照明、窓ガラス、配管、屋外に設置された掲示板などがある。

 2011年3月の東日本大震災では、福島県いわき市で複数の照明が、宮城県内の商業施設では天井や壁が落下し、それぞれ犠牲者が出た。東京の九段会館では、天井が崩れて2人が死亡した。天井以外でも頭上に落下すれば、“凶器”となる。数が多い分、被害の頻度は本体の比ではない。

 工学院大学総合研究所・都市減災研究センター長の久田嘉章教授は「建築基準法は、死者を出さないための対策が最優先で、非構造部材は壊れやすいのにほぼ規制がなかった。ようやく注目されてきたが、国の対策は遅い」。国立研究開発法人建築研究所の伊藤弘客員研究員も「法令上の対応が進んでいない。今ある建物は、骨組み以外だとよくわからないのでは」と話す。

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