
塀が倒壊した高槻市立寿栄小学校=18日午前10時50分、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)【拡大】
国土交通省によると、東日本大震災を契機に14年4月、建築基準法を改正。高さ6メートル超、面積200平方メートル超などのつり天井を「特定天井」と定義し、脱落・落下対策の強化が義務づけられた。しかし、報告対象は改正以降に建てられた建物。既存の施設は対象外だ。「チェックはしている。必要ならば、改修を指導する」と井上昌士・同省建築物防災対策室課長補佐。ただ、報告は長ければ3年に1度という。
天井以外は、専門の建築主事がいる451(4月1日現在)の自治体を「特定行政庁」とし、所有者に報告を求めている。間隔は半年~3年。修理には多額の費用がかかる。負担するのは所有者。行政側も強くは出にくい。だが、久田教授は「それでいいのか、が問われている」と指摘する。
災害時の指定避難所となる学校施設の対策も遅れている。文部科学省の調査(17年度)によると、公立小中学校の施設本体(体育館など)の98.8%で耐震化を完了した。だが、非構造部材の場合、東日本では(1)天井材(1636校)(2)照明器具(410校)(3)外壁(968校)-の被害が出た(11年7月の同省検討会緊急提言)。熊本地震(16年4月)でも天井材の落下などが相次いだ。ともに、避難所として使用できない学校が発生した。
文科省では体育館のつり天井の落下防止対策を優先的に進め、97.1%で完了した(17年4月1日現在)。しかし、他の非構造部材は、「数が多く、対策の基準がはっきりしない。本体の老朽化対策の中で、最新の部材を使用するなどして対応する」(木村哲治・防災推進室室長補佐)状況だ。東日本後、同省では学校側に非構造部材の点検を周知した。71.1%が実施したが、奈良、宮崎、鳥取の各県は20%台。ばらつきがある(16年現在)。