中国のモバイル決済は大きく分けて2つある。アリペイとIT大手の騰訊(テンセント)系の「微信支付(ウィーチャット・ペイ)」だ。
利用者は、スマホにダウンロードしたどちらかのサービスのアプリで2次元バーコード「QRコード」を表示し、店側が専用端末で読み取れば、決済完了だ。利用者が店頭に掲示されたQRコードをスマホのアプリに読み込み、支払額を入力してパスワードか指紋で認証して決済するやり方もある。どちらも、利用者の個人口座から即座に引き落とされる。
「かつては偽札の100元をつかまされたことが何度もあったけど、スマホ払いにしてからは心配なくなったし、お客さんもケチることが少なくなった。もう現金はお断り」。上海市内のバス停わきで焼き芋を売っていた露店の女性は、こう強調した。
ズワイガニやタコ、魚などが泳ぐ大きないけすのある北京市中心部のスーパーでは、子供連れの女性が品定めしていた。
買い物カゴを手にした来店客は「自動レジ」と記された一角にある専用端末に近寄ると、おもむろにスマホを取り出してあっという間に決済し、購入品を袋に詰めて出ていった。
不動産バブルの影響で中国都心部の店舗やオフィスなどの家賃が高騰する中、「無人レジ」を配したスーパーだけでなく、「無人コンビニエンスストア」「無人レストラン」も急増している。