かねて実効性が疑問視されてきた韓国の脱原発政策が「夏本番」を迎えて荒唐無稽さを露呈している。韓国も日本同様、連日の猛暑で電力使用量が急増。火力発電もフル稼働で電力不足が懸念されることから、政府は原子力発電所の追加稼働に踏み切った。脱原発は60年にわたる長い計画で目先のことではないとはいえ、危機に直面すると結局は原発に依存する文在寅(ムン・ジェイン)大統領の節操のなさに、国民は皆一様に首をかしげる。やはり、“人気取り”の政策だったとの印象はぬぐえない。
「ソフリカ」。異例の暑さが続く韓国の首都ソウルはもはやアフリカになったという意味の造語だ。最近、韓国紙やインターネット上で目にするそのソフリカだが、地元メディアによると、実際には赤道付近のエジプト・カイロより暑くなる日があるようだ。
気温上昇とともに冷房利用で当然、電力使用量も増えるのだが、電力需要は政府が見立てた予想を上回って推移。全体の供給能力のうち使用しない電力量を示す「電力予備率」は、韓国では一般的に2桁以上あれば問題ないとみられているようだが、7月から10%を切る日が複数回に及ぶ。