【ビジネスアイコラム】災害列島の自滅誘う消費増税 税収減、インフラ投資抑制の悪循環再び (2/3ページ)

 緊縮財政路線はアベノミクスの下でも一貫している。2017年度までの財政収支を計算してみると、アベノミクスが本格化した13年度から17年度までの合計で、国民から12.8兆円の需要を吸い上げている。雇用者が受ける報酬はその間、25兆円余り増えたが、政府が民間需要の増加分の5割を奪って、借金返済に回している。その結果が内需の伸び悩みである。家計は消費を抑えて預金を積み増し、企業は金融資産を膨らます。

 他方で、インフラを主体とする公的固定資産の老朽化が進む。内閣府「国民経済計算」によれば、公的資産の劣化、耐用年数切れを示す「減耗」は毎年24兆~25兆円に上るが、公共投資は27兆円前後にとどまる。つまり減耗部分を除く純公共投資はアベノミクスの下でも2兆円前後にすぎない。予算が抑制されれば、当事者の自治体の意識も萎縮する。自治体は規制を緩め、地元民が過去に住まなかった危険地域に家が建つ。治山治水への投資はおろそかになる。広島県や岡山県などで起きた大規模な山崩れや洪水は人災とみるべきだ。

 消費税に代わる財源はある。デフレ圧力の下、余剰マネーは膨張を続けている。リーマン・ショック後、17年度までの10年間をとってみよう。家計の現預金は167兆円増えたのと対照的に家計消費増加額は4.7兆円にとどまり、14年度の消費税増税負担分を差し引けば4兆円減った。設備など企業の有形固定資産増加額は16兆円にすぎないが、株式などの金融資産は240兆円増えた。

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