自民党には官邸主導で外国人受け入れ拡大策を決めたことに「拙速な進め方だ」(保守派議員)との不満も。安倍晋三首相は「移民政策ではない」と繰り返すが、野党は「移民を受け入れるか受け入れないか、国家の大きな転換点だ」(立憲民主党の長妻昭代表代行)と牽制(けんせい)する。
国民民主党は12日、この問題のプロジェクトチームを初開催。「実質的な移民ではないか」「政令に委ねる部分が多すぎる」などの懸念が相次いだ。立民と国民の支持団体である連合も「日本人の雇用が失われる」と法案に難色を示す。国民の泉健太政調会長は「国内の労働者をないがしろにしないことがまず第一だ」と強調した。
政府、与党は臨時国会で改正案を成立させる方針だ。ただ、会期は1カ月半程度で、中国訪問など安倍首相の外遊が続き審議日程が限られる。野党は衆院本会議と委員会の質疑に首相の出席を求める「重要広範議案」として扱うよう要求。会期内成立はハードルが高い。