韓国は為替介入に関する情報公開の要求については受け入れたため、自由に介入しにくくなったのは事実だ。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国では唯一、介入実績を公表していなかったため、米国や国際通貨基金(IMF)から公開を求められていた。
一方、日韓関係も悪化の一途をたどる。韓国最高裁は、日本製鉄(新日鉄住金から改称)や三菱重工業に対し、「強制労働させられた」と主張する、いわゆる「元徴用工」や「元挺身(ていしん)隊員」への賠償を命じる判決を確定させた。両社は1965年の日韓請求権協定で請求権問題は解決済みとする日本政府の見解に従い、支払いに応じていない。
ところが、韓国の裁判所は、合弁会社の株式や商標権、特許権など日本企業の資産差し押さえを認めた。原告側は現在のところ、資産の売却手続きには入っていないが、実際に売却されてしまうと、日本企業は実害を被る。これを受け、日本政府は韓国への対抗策を検討し始めた。
麻生太郎副総理兼財務相は3月の衆院財務金融委員会で、「関税(引き上げ)に限らず、送金の停止、ビザの発給停止とか、対抗策にはいろんな方法がある」と例示。日本政府は、韓国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)へ新規加入を希望した場合、加入を拒否したり、半導体製造に不可欠なフッ化水素の輸出を禁止したりすることも検討しているようだ。
韓国による福島や茨城など8県産の水産物輸入禁止措置をめぐる日韓の紛争で、世界貿易機関(WTO)の上級委員会は4月11日、韓国の禁輸措置を認める最終判断を下し、撤回を求めていた日本が逆転敗訴した。これも日韓関係に暗い影を落としている。