いずれの事件も地域住民を不安に陥れ、地域のイベントが中止されたり、小中学校が休校になるなど市民生活に多大な影響を及ぼしている。このような事件では犯罪者の逃亡期間が長引くほど、捜査対象となる範囲は広がり、関係者の数も増え、市民生活へ及ぼす影響も大きくなる。「監視カメラ」をネットワークでつないで、AI(人工知能)による顔認証による犯罪捜査システムの導入を検討すべき時期ではないだろうか。未来都市を待たなくても今すぐ実現できるように思う。
愛川の事件に関していえば、逃走犯は実刑が確定した受刑者で当然本人の顔写真を含む個人データは警察が保有している。もしコンビニの監視カメラが警察のネットワークにつながっていれば、19日の夜に犯人が立ち寄った際に、リアルタイムで足取りをつかむことも可能なはずである。
先日スマートシティの一つを見学する機会があったが、設置された監視カメラの映像で地域の様子を自宅のテレビでモニタリングすることが可能となっていた。監視カメラが地域のいたるところに設置されていて、外部からの侵入者を防ぐ見えない「壁」の役割も果たしている。
一方、公園などの様子を見られる各家庭のモニターでは、わざわざ個人が特定できないように解像度が落とされていた。自分の子供がいるかどうかを確認するには、服装を含めた背格好の雰囲気で判断するしかない。プライバシー保護のため、個人を特定できないようにしている。
日本では、性能は同じでも場合によって監視カメラを防犯カメラ、時には見守りカメラと言い換えなければならない。
画像認識技術を用いた高性能な監視システムを導入するには、プライバシーの保護が問題となるが、安全を優先する発想の転換も必要ではないだろうか。
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【プロフィル】森山博之
もりやま・ひろゆき 旭リサーチセンター、遼寧中旭智業研究員。早大卒後、旭化成工業(現旭化成)入社。広報室、北京事務所長などを経て2014年から現職。大阪府出身。