11日の自民党役員人事・内閣改造で最大の焦点だった幹事長ポストは、二階俊博氏が続投する方向となった。二階氏に対しては、政治手腕を評価する声がある一方、就任から3年を超え、80歳と高齢であることを不安視する向きもあった。安倍晋三首相(党総裁)も後進の育成のため、一時は二階氏の交代も検討したが、党運営の安定を優先した。
「ありがとう。またよろしくね」
4日午後、自民党本部4階の幹事長室。テレビで「二階氏留任で調整」の一報が流れると、周囲から「おめでとうございます」と祝福された二階氏は、はにかんだような表情でこう応じた。
党内から交代論も
前日の3日朝、二階氏は党本部で約10分間、首相と2人きりで向き合い、人事について意見交換したとみられる。その後、記者会見に臨んだ二階氏の表情は気迫に満ちていた。
幹事長は、党運営の事実上のトップで、選挙での候補者の公認や資金配分など絶大な影響力を発揮する。二階氏は幹事長として総裁任期延長の党則改正を主導し、昨年の総裁選での首相連続3選に道を開いた。平成29年の衆院選と先の参院選での自民党勝利にも大きく貢献した。