ただ、自身が率いる二階派(志帥会、46人)に野党出身議員を引き込む強引な拡大路線は反発を招き、党の長老や首相側近らからは「党内を混乱させている」と二階氏の交代論が出ていた。一方、「ポスト安倍」を目指す岸田文雄政調会長は今回の人事で、「首相への登竜門」でもある幹事長就任に意欲を示していた。
首相は、二階氏への恩義と側近らの意見、後継者の育成などのはざまで悩み、周囲にこう漏らしていた。
「二階氏の処遇が最大の悩みどころだね」
実際、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官は「内閣の重要な柱」として留任が早々に伝えられる一方、マスコミは「二階氏の処遇が焦点」と報じた。当初は今月10日とされていた党役員人事・内閣改造が11日に後ろ倒しにされたのも、二階氏の処遇がなかなか決まらなかったからとされる。