軍事ワールド

GSOMIA破棄も… 韓国・反日の裏にある歴史的「中国恐怖症」 (1/3ページ)

 韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。韓国政府は理由を、「対話を呼びかけたが日本は拒否しただけでなく、韓国の自尊心まで傷つけた」(金鉉宗キム・ヒョンジョン国家第2次長)と説明したが、米国が協定を継続するよう警告するなかでの破棄は反日だけが理由ではない。その裏には、韓国の「中国恐怖症」がある。(岡田敏彦)

 韓国の純損失

 GSOMIAは日韓両国の間で交換される秘密の軍事情報を保護するために設けられた。例えば北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、どういう軌道を描きどこへ落ちたか、高度は何メートルに達したかといった正確な情報は、北のミサイルの性能把握に欠かせない。こういった情報はある程度マスコミにもオープンにできるが、発射から探知までの正確な時間や追尾の精度といった情報は、自衛隊や韓国軍のレーダーなどミサイル補足システムの能力・性能を北中露など他国に知られかねないため極秘となっている。この秘密を日韓とも第三国に漏らさないことで、軍事的対処を高度化するのがGSOMIAの目的だ。

 当然、破棄によって情報の量、質ともにダウンする。しかも北のミサイル発射で日米韓の求める重要な情報は、核弾頭搭載能力、つまりミサイルのエンジン部の性能を示す高度と飛距離だ。ところが韓国本土や沿岸の艦船では、日本列島を飛び越えるような軌道のミサイルは当然探知できない。丸い地球の水平線下となるためだ。偵察衛星も一基もなく、水平線の向こうは韓国軍の未知の領域だ。

 一方の日本は自前の偵察衛星の情報はもちろん、米国の偵察衛星による情報も迅速に入手できる。ここに韓国本土に配備された米軍の「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)」のレーダーによる情報も加わり、日本本土や日本海からは水平線の向こうとなる「発射」を探知できる。だからこそGSOMIA破棄は韓国にとって軍事的に純損失であり、多くの専門家が「破棄はない」と踏んでいた。

 それでも「得るものなし」の破棄に至った背景には、韓国の中国恐怖症がある。

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