海外情勢

切迫感なくても…「イギリス抜き」時代へ動き出すEUの懸念 (1/3ページ)

 フランスが誇るワイン産地ボルドーは、15世紀まで約300年、英国王の支配下にあった。英貴族の飲み物としてワイン輸出が奨励されたのが、世界的ブランドになる始まり。今も多くの英国人が業界を支える。(三井美奈)

 「うちの出荷先は6割が英国。欧州連合(EU)からの離脱はそりゃ、困りますよ。でも、ここでやっていくしかないからね」。収穫期を迎えたブドウ畑で、農園主のギャビン・クイニーさん(59)はこう言って、笑った。元はロンドンの会社員で、夢だったワイン造りを始めて20年。今は年間20万本を生産する。

 「合意なし離脱」となれば税関が混乱し、出荷に何日かかるか分からない。それでも、「英国の需要は変わらない。いざとなれば、日本やスイスで販路を開拓する」と割り切っている。

 離脱論議で大揺れの英国をよそに、EU側は不思議なほど切迫感がない。

 対岸のフランスやオランダは離脱の打撃が最も大きいはずだが、「いっそ『合意なし離脱』してしまえ」の声が結構ある。仏経団連は今月初め、「これ以上、離脱を先に伸ばすな」と提言。オランダのカーフ貿易相は「もうたくさんだ。先の見えない不安が続くより、損害に対処する方がいい」と蘭紙で述べた。

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