高論卓説

意見の違うメディアを相手にせず 「戦闘に勝ち戦争に負ける」野党は反面教師 (1/2ページ)

 「戦略の失敗は戦術では補えない」と言われる。同じような趣旨で「戦闘に勝って戦争に負ける」という言葉もある。高品質・高機能の製品を過信した日本の電機メーカーが、低価格戦略を大胆に推進した海外メーカーにシェアを奪われたのは一例である。大局観を持てばよいのだが、理屈通りにはなかなかいかないようだ。(森一夫)

 現に政治の世界で同様の失敗が見られる。立憲民主党や国民民主党など、いわゆるリベラル系野党のことだ。経営的にも参考になる格好のケースである。

 野党は倒閣のため疑惑追及にかけてきた。長期政権のおごりや緩み、不正の有無をチェックするのは大事である。しかし「疑惑」だけで、政権交代が起きるとは思えない。

 実際、安倍晋三首相の通算在職日数は、憲政史上最長になっている。野党の疑惑追及は3年前の2017年2月から始まった。森友学園問題である。5月から加計学園問題が加わり、野党は「モリカケ」問題の追及に延々と時間を費やしてきた。

 昨年秋からは「桜を見る会」である。その他の問題も含めて、マスコミが報じる国会はこの3年、「疑惑」をめぐる議論ばかりのような様相を呈してきた。

 ところが17年10月の衆議院選挙、19年7月の参議院選挙と与党は連勝した。支持率もNHKの世論調査によると、内閣支持率は2月が「支持する」45%、「支持しない」37%で、17年春から多少の上下はあっても、ほとんど変わらない。

 政党支持率も、2月は与党の自民党が37.4%、公明党が4.0%で、大きな動きはない。従って野党も、立憲民主党が6.0%、国民民主党が1.0%、共産党が2.6%で、あれだけ安倍政権の疑惑追及に努めたのに17年春から横ばいで、一強多弱状態に変化の兆しすら見えない。内向き志向になって失敗したメーカーに似て、リベラル系野党は「反安倍」「反権力」の岩盤支持層に依存するあまり、支持が広がらないのだろう。共産党との連携を進めれば、支持層を一層狭めるに違いない。

 立憲民主党の安住淳国対委員長が、新聞の採点をしたのは象徴的である。産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員の6日付の記事によると、朝日、毎日両紙は「花丸」、読売は「ギリギリセーフ」、日経は「出入り禁止」「くず0点」、産経は「論外」だそうだ。

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