自分たちと意見の違うメディアは相手にせずという姿勢がうかがえる。こんな狭量な考え方では、不支持層を支持に変えることなどおぼつかない。とはいえ一部メディアの力もあってのことだろう。安倍首相の印象は世論調査では芳しくない。もしこれに意を強くすると、野党は「戦闘に勝って戦争に負ける」結果になりかねない。
今や新型コロナウイルス、米中対立、イランをめぐる中東危機、北朝鮮の核、韓国の反日など問題山積である。最近はテレビなどもさすがに「桜を見る会」に飽きてきたようだ。野党は戦略を真剣に考えないと、政権担当能力無しと見なされる。
もっとも左系のコア層の支持だけあれば、何とかやっていける。ただしそれは万年野党の道である。政権に縁のない政党はネズミを取らない猫である。上場会社も成長戦略は不可欠だ。目先のことしか念頭にない野党はいい反面教師になる。
【プロフィル】森一夫
もり・かずお ジャーナリスト。早大卒。1972年日本経済新聞社入社。産業部編集委員、論説副主幹、特別編集委員などを経て2013年退職。著書は『日本の経営』(日本経済新聞社)、『中村邦夫「幸之助神話」を壊した男』(同)など。