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注文殺到で出荷停止に アサヒビール「生ジョッキ缶」 技術の“融合”が生んだ一品だった (1/2ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 アルコール飲料の多様化が進む中、革新的な缶ビールが注目を集めている。アサヒビールの新商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」が6日、コンビニエンスストアで先行発売されると注文が殺到。全ての小売り業態での販売開始は20日を予定していたが、想定を上回る注文に対し缶の部材が不足したため、発売翌日に出荷を停止した。缶詰のように蓋をすべて取り外すと自然に泡が発生するというユニークな缶ビールが誕生した背景を探った。 

 フルオープンは「インパクト弱い」

 どこにいてもお店の味を楽しみたい-。そんな消費者の声に応えて開発が始まったのは4年前だった。従来の缶と比べ、蓋を全て取り外す「フルオープン」の缶は一口分の流量が増えるため、ジョッキのようにゴクゴクと飲める。そのアイデア自体は以前からあり、1985年にはサントリーが「世界初」をうたい、底部のクリップを弾いた刺激で泡を出すフルオープンの缶ビールを発売していた。フルオープンの缶自体は実は、革新性のあるものではなかったのだ。

 アサヒビールが製品化に二の足を踏んでいたのは、「蓋がフルオープンになるだけではインパクトが弱い」(同社)という判断があったからだったという。

 商品化にあたり、"大きなインパクト”として採用されたアイデアが、自然に細かい泡が発生する「自己発泡」だった。

 缶の蓋と底を除いた「缶胴」と呼ばれる部分の内面に、目には見えないほどの小さな凹凸が無数にあり、蓋を開けた振動などで中身が流動すると強く発泡する仕組み。小さな凹凸は特殊な塗料を焼き付けることでできるというが、広報担当者は「特許申請中のため詳細な説明はできない」と話す。まさに企業秘密だ。

 缶ビールで泡を作るという仕掛けはアサヒビールだけではない。例えば、キリンが販売する「ドラフトギネス」缶は、ビールをグラスに注ぐ際、缶の中にあるプラスチック製のボールによって発泡を促している。

 だが、アサヒビールはより手軽に、缶だけで泡を作る道を切り開いた。

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