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12月まで満員!グリコの工場見学が盛況 観光資源として県も後押し
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商品の製造過程を観察できる工場見学が人気を呼んでいる。埼玉県内でも菓子製造大手「江崎グリコ」が、東日本最大の製造拠点となる北本工場(北本市中丸)に見学施設「グリコピア・イースト」を今月オープンし、連日、大勢の見学客でにぎわいを見せている。
企業側もPRを兼ねて積極的に取り組んでいるほか、県も工場見学を観光資源として生かす方針だ。(市岡豊大)
江崎グリコが北本工場に開設したグリコピア・イーストは初日から見学客が殺到。今月予約できる12月末までは満員となっている。見どころは人気商品「プリッツ」を1日5万5千個作り出す製造ラインだ。機械から絞り出された細長い生地がオーブンを通ると、焼き色が付いて出てくる過程がガラス窓越しに見学できる。
年配の客に人気なのは大正時代から商品に付けている歴代「おまけ」の一部約1500種が並ぶ展示コーナー。おまけは昭和初期には戦艦のミニチュアなど時代を色濃く反映している。
「ポッキー」を自分で作れる体験コーナーは子供たちに人気。大きなポッキーに、チョコレートなどの食べられる素材で飾り付けができる。
見学したさいたま市西区の主婦、須賀孝子さん(64)は「あまり知らなかったグリコの歴史が分かって面白い」。体験コーナーに参加した同市緑区の幼稚園児、森田光翼(つばさ)君(5)は「大好きなポッキーを自分で作れて楽しかった」と笑顔を見せた。
江崎グリコは昭和63年に神戸工場に「グリコピア神戸」を開設、年間8万人が訪れる人気施設になっている。グリコピア・イーストの目標は年間5万人で、広報部の吉村貴宏チーフは「見学だけでなくお菓子の歴史も知ってもらい、関東のファンを増やしたい」と話している。
県によると県内の代表的工場を認定する「彩の国工場」計481カ所のうち、工場見学を受け付けている施設は約400カ所。昨年度1年間の見学者数ランキングでは、食品や消しゴムなど身近な製品のほか、車の「ホンダ」や人形の「東玉」など一流企業も名を連ねている。
昨年度1位だった酒造メーカー「矢尾本店」(秩父市)では、秩父観光の1つとして見学を受け入れている。見どころは創業265年という同社の歴史資料を展示した施設と、一升瓶20万本に相当する巨大な醸造タンクだ。
ノウハウの詰まった大切な製造過程をあえて明かしている大きな理由の一つが「食の安全」だ。矢尾本店の新井規久工場長(61)は「安心感を持ってもらうのが第一。あとは日本酒製造の大変さを知って、親しみを持ってもらう狙いもある」と話す。
江崎グリコの吉村チーフも「普段食べている商品がどう作られているのか知りたいというニーズが大きい」と消費者の傾向を分析している。
県はこうした工場見学を観光資源として生かしている。今年で10年目を迎える「ものづくりスタンプラリー」で、平成17年に47カ所だったスタンプ設置工場の数は、徐々に増えて22年に97カ所、今年は112カ所と約3倍になった。
担当者は「企業はPR効果をねらって積極的。県民の関心も高い」と話している。