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【わが社のオキテ】鐘や太鼓で社員を鼓舞するIT企業 “お祭り騒ぎ”というなかれ!

ニュースカテゴリ:企業の経営

【わが社のオキテ】鐘や太鼓で社員を鼓舞するIT企業 “お祭り騒ぎ”というなかれ!

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 社員の士気をどうやって高めるか-。経営者の誰もが頭を悩ませる問題だが、なんと鐘や太鼓をたたいて士気を鼓舞するというユニークな会社がある。

 情報システム管理などを手がけるケー・エス・ディー(大阪市中央区)では、社員は取引先などに出かける際に太鼓をたたき、帰社した際には鐘を鳴らすというルールを導入している。社員が鐘や太鼓の音に負けない大きな声であいさつをすることが目的だそうだが、これが意外に社員の「やる気」を高めているという。“お祭り騒ぎ”というなかれ。

 会社を明るくするのは、まず「あいさつ」

 「会社は明るくないとおもしろくない」

 小林達夫社長は約6年前に導入した『鐘太鼓運動』のねらいをこう説明する。明るい会社にするためにはどうすればいいか。日々考えた末に、見いだした答えが“あいさつ”を徹底することだった。

 小林社長が頭をひねっていたある日。ふと社内を見渡したときに、あいさつができていないことに気付いた。なんでもないことかもしれないが、あいさつは人としての基本でもある。

 そのとき、「やるべきルールは“あいさつ”だ」と痛感した。そして、そのために着目したのが鐘や太鼓だった。

 さて、この『鐘太鼓運動』。実際、どんな光景なのだろう。

 太鼓をたたいて外出、戻ってきたら鐘をたたく

 まず、社員が外出する際にたたく太鼓。これは大阪の有名太鼓店で作られた小型の太鼓で、いつも玄関近くの受付カウンターの上に置かれている。

 外出する社員はこの太鼓をバチで“ドン、ドン”とたたいた後、「行ってきます!」と大きな声で叫ぶ。それに応じて他の社員が「行ってらっしゃい!」と送り出す。

 一方、帰社した際は、同じくカウンターに置かれたハンドベルを鳴らすか、あるいは入り口ドアの上部につり下げられた鐘をたたいて「ただいま!」とあいさつする。

 会社にいる社員はこの音を聞いて「おかえりなさい!」と応えることになっている。これが同社の明るい会社づくりのルール『鐘太鼓運動』だ。

 単に鐘や太鼓をたたいてあいさつすればいい、というものでもない。鐘や太鼓の音、あるいはあいさつの声が小さければ、小林社長がやり直しを命じることもあるという。

 それにしても、なぜ鐘や太鼓なのだろう。

 その理由について、小林社長は「IT企業の社員は仕事の性格上、どうしてもパソコンと向かい合っている時間が長く、結果、社員間のコミュニケーションが不足がちになる」という。「太鼓や鐘の音であいさつをすることで、これを防ぐことができるんです」

 鐘や太鼓など、通常のオフィス環境とは縁遠い音である。ましてや静かな空間が当たり前のIT事務所。そこにわざと異色の音を出すことで、一瞬、社内の雰囲気をこわし、社員を目覚めさせようというねらいのようだ。

 「太鼓をたたいて外出しないと気持ち悪い」とある社員

 当初は社員の間に戸惑いもあったそうだが、今では「太鼓をたたいて外出しないと気持ちが悪い」という社員もいるという。社内と社外で気持ちが切り替わっている証しだ。

 同社はこの活動を取引先企業の一部でも展開している。企業のITシステム管理という事業の特性上、社員が取引先企業に常駐するケースも少なくない。そこでも、同社社員が常駐先企業の社員を巻き込んで、「あいさつ運動」を推進しているという。

 この『鐘太鼓運動』は、社員の活性化にも大きく貢献している。「お客さまの企業も明るくしたい」という小林社長は、“技術”と“あいさつ”の2本柱で事業を広げていきたいと考えている。(香西広豊)

◇会社データ◇

本社=大阪市中央区南船場4-8-5 南船場大阪産業ビル6階

設立=昭和52年9月

事業内容=情報システム管理サービス、IT機器設置・保守サービス

売上高=約6億円(平成24年5月期)

従業員数=118人(平成24年6月末現在)

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