ニュースカテゴリ:企業
自動車
日産、米主要都市にEV急速充電器 1年半後に500カ所…ライバルに対抗
更新
日産自動車と米電力大手NRGエナジーは1日までに、全米の主要都市で計500カ所に電気自動車(EV)の急速充電器を今後1年半で設置すると発表した。
日産は米国でもEV「リーフ」の低価格モデルを追加投入しており、充電インフラを自ら整備していくことでEVの普及を図りたい考えだ。
リーフ向けの急速充電器規格「CHAdeMO(チャデモ)」方式に対応した急速充電器を採用。既に全米で約160基の急速充電器が整備されており、計画完了時には現在の4倍超に当たる約660基となる。
日産が自ら急速充電器を設置するのは、独フォルクスワーゲン(VW)への対抗策の側面も強い。VWはチャデモとは互換性のない別方式の急速充電規格「コンボ方式」を採用したEVを今年半ばから欧州に投入する予定で、実証実験を進める米国での展開も間近とされる。日産は早期に充電設備を充実し、日米欧のライバルに先行してきたEVでの優位性を維持したい考え。
日産は2010年12月にリーフの生産を開始。昨年12月末までの世界累計販売は約5万台、そのうち国内販売は約2万2000台だった。
当初は追浜工場(神奈川県横須賀市)で生産して欧米などに輸出していたが、「円高によるコスト増の低減」(カルロス・ゴーン社長)を目的に、米テネシー州の工場でリーフの生産を1月に開始。米国でのリーフの最低価格は2万8800ドル(約265万円)で、政府の購入補助などを活用すると実質価格は1万8800ドル。
英国でも近くリーフの生産を始め、スペインでは来年3月末までに小型商用EV「e-NV200」を生産する計画。欧州でも充電器の設置を進め、16年までに日産・ルノー連合で世界累計150万台のEV販売を目指す。