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「次世代テレビ」韓国メーカーと覇権争い ソニーとパナソニックがタッグ

ニュースカテゴリ:企業の電機

「次世代テレビ」韓国メーカーと覇権争い ソニーとパナソニックがタッグ

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 ソニーとパナソニックが共同で有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルの生産会社を設立する背景には、産声を上げたばかりの「次世代テレビ」市場をめぐる、韓国メーカーとの激しい覇権争いがある。往年のライバルである2社が手を取り合って、“日の丸電機”の復権を目指す。

 両社が提携を拡大するのは、過剰投資で失敗した液晶など薄型テレビ事業の二の舞いを演じないためだ。パナソニックはかつてプラズマパネル工場に集中投資したが、広く普及することのないまま、一部生産停止に追い込まれた。ソニーも韓国サムスン電子との液晶パネルの合弁生産を解消した。

 テレビは汎用(はんよう)品化が進んだことで、価格は下落。長引く円高の打撃も受け、日本勢はかつての稼ぎ頭であるテレビ事業に足を引っ張られるようになった。

 平成24年3月期のテレビ事業は、ソニーが8期連続、パナソニックが4期連続で赤字となった。テレビ事業の不振が響き、両社とも同期は過去最悪の最終赤字を計上。いずれもテレビ生産台数を絞り、事業の立て直しを急いでいる。

 有機ELテレビで同じ失敗を繰り返さないためには、単独での投資を避け、負担を軽減する必要があると判断した。

 米調査会社のNPDディスプレイサーチによると、2012年1~9月期の液晶テレビ世界市場のメーカー別シェアは、サムスン(25.0%)、LG電子(13.7%)と韓国勢が首位を争う構図。3位のソニー(8.9%)、7位のパナソニック(4.7%)は大きく水をあけられている。

 一方、有機ELテレビの世界市場は16年に約99億ドル(約9100億円)と13年見込みに比べ、31倍に膨らむ見通し。この新しい市場を主導するには、いち早く製品化にこぎ着ける必要があるが、韓国勢が先行している。

 かつての家庭用ビデオレコーダーの規格争い「VHS・ベータ戦争」を繰り広げたパナソニックとソニーは、いま、密接な協力関係を築く必要があるほど、日本のテレビ産業は追い込まれた状況といえる。(米沢文)

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