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団塊世代が飛びつくマニュアル車 若年層への定着は不透明
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メルセデス・ベンツ日本が発売した「SLKクラス」MT車のシフトレバー 乗用車のマニュアル(MT)車がじわり存在感を高めている。メルセデス・ベンツ日本は今月、21年ぶりに日本でMT車の販売を復活した。
背景には、トヨタ自動車が昨春、13年ぶりのMT車のスポーツ車を投入したところ、団塊世代の購買意欲を喚起するなど計画を上回る販売となっていることがあるとみられる。ただ、若年層への浸透には至っておらず、このまま人気が続くかどうかは不透明だ。
メルセデス・ベンツ日本は今月20日、2人乗りオープンカー「SLKクラス」にMT車モデル(493万円から)を追加発売した。21年ぶりの投入について、同社は「お客さまから要望を多くいただいた」(担当者)としている。
同社は明確にしていないが、トヨタがトヨタブランドとして1999年に発売した「MR-S」以来となり、MTモデルもある小型スポーツ車「86(ハチロク)」を発売、オールドファンから支持されていることの影響が大きいとみられる。
ハチロクの発売からの累計販売台数は10カ月間で2万6000台と、月間販売目標1000台を大きく上回っている。
共同開発した富士重工業の「スバル BRZ」も5600台を販売。発売直後のMT車受注率はハチロクで6割、BRZで7割に上ったという。
ホンダが昨年9月に発売したハイブリッドのスポーツカー「CR-Z」も、「全受注のうちの25%程度がMT車」(開発者)と盛り上がっている。
クラッチやシフトチェンジなどMT車特有の操作は、団塊世代が20代のころには「運転技術の高さで格好良さをアピールできる絶好の機会だった」(大手自動車メーカー首脳)。
トヨタと富士重のスポーツ車は199万円からという手ごろな価格も手伝い、MT車に慣れ親しんだ団塊世代が飛びついた。
経済ジャーナリストの永井隆さんは「MT車は生活必需品というよりは、車好きに愛される嗜好(しこう)品。今後も一定の需要は続く」と指摘する。
ただ、若い世代を中心にMT車は「運転が疲れる」などとの声は根強い。自動車教習所の日の丸自動車学校(東京都目黒区)では、かつて過半数を占めていたMT車の受講生比率は、現在では3割程度まで落ち込んでいるという。
担当者は「AT(オートマチック)車は操作が簡単な上、教習料金や時間がMT車より安く少ない」と指摘する。MT車が本格復活するには若者に運転の楽しさを伝える地道な活動が必要といえそうだ。