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“アウェー”で攻める日本車勢 韓国のモーターショーで品質誇示
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【ソウル=古川有希】日本の自動車メーカー各社が、世界市場のライバルである韓国で攻勢をかける。
韓国のトップ企業、現代(ヒュンダイ)自動車は、ウォン安を背景に世界の自動車市場で日本の牙城に迫りつつあったが、円安基調で日本メーカーが息を吹き返し、勢いが鈍りがちだ。
さらに日中韓で協議されている自由貿易協定(FTA)が成立すれば、韓国で課せられている8%の関税が低減され、日本に追い風となる。
28日に開幕したソウル国際自動車ショー。現代は最大規模の展示ブース面積を構えた。世界初公開された現代の高級クーペの試作車「HND-9」は、シャープで優雅なデザインと独創的な跳ね上げ式ドアが特徴。
約500人の報道陣を前に、現代の金忠鎬(キム・チュンホ)社長は「みんなをひきつけてやまない最高品質のスポーツカーだ」と述べた。
年間約150万台の韓国市場は、長らく韓国メーカーの独壇場で、現代グループのシェアは7割を誇る。だが、米韓FTAによる関税の引き下げや、車両の認証基準の規制緩和などで、海外メーカーの進出が容易になった。
昨年末以来の円安も加わり、日本勢の競争力が高まっている。一方で、輸出に頼る現代はウォン高により競争力の低下を招いている。
トヨタ自動車は、米韓FTAの恩恵を受けようと、北米で生産する中型セダン「カムリ」を韓国向けに輸出し、日本からの輸出の際に課せられていた関税分を価格に反映。平成24年の韓国内での販売台数は、前年比2・2倍の1万795台と急増した。カムリは25年の「韓国カー・オブ・ザ・イヤー」に輸入車で初めて選ばれ、品質面でも高い評価を受けた。
もっとも、トヨタやホンダ、日産自動車がソウルの自動車ショーに出展するのは、「品質面の差をおひざ元で見せつければ、世界市場でも優位に立てる」(日系自動車メーカー幹部)との思惑もあるようだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の吉田達生シニアアナリストは、韓国勢はデザイン面で日本勢を上回るものの、「日本はハイブリッド車(HV)などの技術で圧倒的な差がある」と指摘している。