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国内タブレット勢力図激変か アップル値上げ…ライバル各社の反応は?
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国内タブレット端末のシェア タブレット端末の国内市場の勢力図が激変する可能性が出てきた。シェアの過半数を抑え“独り勝ち”を続けてきた米アップルが、昨今の円安ドル高を理由に大幅な値上げを断行。ライバル他社との価格差が広がるなかで、米マイクロソフト(MS)という新規プレーヤーも参戦。業界トップの異例の値上げが、各社の競争加速の呼び水となりそうな雲行きだ。
アップルは2010年の「iPad(アイパッド)」発売以来、タブレット市場を牽引(けんいん)。調査会社MM総研によると、12年度のタブレットの国内出荷台数シェアは、アップルが52.5%と3年連続で首位に立った。
しかし、急速に進む円安ドル高を受け、5月31日にタブレット全モデルの値上げを実施、一部店舗で即日踏み切った。アイパッドシリーズは約1~2割値上がりし、競合する有力なタブレット製品との価格差が拡大した。
アップルが値上げに踏み切る前から、市場では米グーグルや米アマゾン・ドットコムなどの割安なタブレットがシェアを伸ばしている。代表的な“廉価版”タブレットであるグーグルの「ネクサス7」(1万9800円)が登場した昨年12月~今年1月は、家電量販店の売り上げでアップルは2位に転落した。
今回の値上げで、アップルの「アイパッドミニ」と競合する「ネクサス7」の価格差は1.7倍に広がった。グーグルや米アマゾン・ドットコムなど為替差損を価格に上乗せする予定はないという。
一方、国内タブレット市場には新たなプレーヤーも参戦する。MSは7日、「サーフェスプロ」の日本での発売を始めた。MSがパソコン向けで培った豊富なソフトを使え、ビジネス用途での需要を見据える。
「このタイミングで、(アップルは)値上げという逆方向にいった。(当社にとっては)非常にいい」と日本マイクロソフトの樋口泰行社長はほくそ笑む。“敵失”を好機と捉え、タブレット向けに機能を特化した「サーフェスRT」も加え、反転攻勢を期す構えだ。
NECや富士通などの国内メーカーや中国、台湾勢も日本市場での新モデルを相次いで投入する計画だ。
ただ、タブレット市場を引っ張るアップルの強みは、コンテンツ配信などと連携した使い勝手や端末のデザイン性に裏打ちされたブランド力にある。「市場シェアに対する値上げの影響はさほど大きくない」(大手家電量販店)と見る向きもある。
MM総研によると、国内タブレット市場は、12年度に前年度比約2倍の568万台に急速に膨らんだ。一通り製品が出そろった今年度は、21.5%増の堅調な伸びが予測される。群雄割拠の時代にどこが勝ち残るか。各社の販売競争はますます激しさを増しそうだ。(是永桂一)