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タイLCC2位のノックエア上場 売上高40%増目標 競争激化へ
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タイの格安航空会社(LCC)2位のノックエアは今月、タイ証券取引所に上場した。上場で調達した資金32億5000万バーツ(約102億円)で機材の増強などを図り、拡大が続く同国のLCC市場でさらなるシェア拡大を目指す。現地紙ネーションなどが報じた。
同取引所への上場は、タイの航空会社としては国を代表するナショナル・フラッグ・キャリアのタイ国際航空、LCC最大手タイ・エアアジアの持ち株会社アジア・アビエーションに続く3社目となる。
ノックエアの2012年の売上高は82億1000万バーツで最終利益は5億470万バーツだった。同社は、今年の売上高目標を前年比40%増に設定、来年以降の3年間は最低でも20%増を確保するとしている。同社のパティー最高経営責任者(CEO)は「タイの航空市場は中規模都市など未開拓の地域が多く残っており、拡大余地は十分ある」と述べ、上場後の成長に自信を示した。
今後は、現在16機の航空機を15年までに30機に増やすほか、今年9月にはタイ北西部メソトとミャンマーのモーラミャインを結ぶ路線を就航させて国際線にも復帰するなど、経営を拡大していく方針だ。
ノックエアは04年設立でタイ国際航空傘下のLCC。08年には国際線進出の失敗などから経営難に陥り、大規模な路線縮小を迫られた。
しかし、その後はタイ国内のLCC市場の拡大や同業の買収によって勢力を盛り返し、現在は同国の国内線市場でタイ・エアアジアに次ぐ2位(週当たりの運航座席数)となっている。
豪航空シンクタンクのアジア太平洋航空センター(CAPA)によると、タイ航空市場におけるLCCの比率は12年までの10年間で1%未満から約30%まで拡大した。乗客数は09~12年の4年間で1022万人から2034万人に倍増している。
拡大傾向は今後も継続するとみられており、インドネシアの大手LCCライオン航空がタイ国内での合弁事業を模索するなど新規参入の動きも相次ぐ。
また、CAPAは市場拡大とともに最大手タイ・エアアジアと2位のノックエアが直接競合する路線も増えていくと予想しており、競争も激しさを増しそうだ。(シンガポール支局)