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EV充電課金システム実験 香川・豊島でソフトバンクなど
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ソフトバンクが開発した独自の充電認証・課金システムの実証実験。タブレットで充電日時や場所、充電量などを確認できる=19日、香川県の豊島 ソフトバンクモバイルや電気自動車普及協議会(APEV)などは20日、香川県土庄町の離島・豊島(てしま)で小型の電気自動車(EV)を活用した社会実験を始める。
島内に2人乗り小型EVを6台走らせ、交通の利便性向上や省エネにつなげるほか、2カ所の充電スタンドでソフトバンクが開発中の充電・認証システムの機能を試す。
実験開始を前に19日、記念式典が開かれた。20日からは豊島などで現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2013」が開催され、観光客の増加が見込まれることから、島内の移動手段としてEVを1日8400円(充電料込み)で貸し出す。
実験では、充電スタンドでEVに充電プラグをつなぐとどの車かが特定され、充電日時や場所、充電量などが管理者側の情報サーバーに自動記録されるソフトバンクの認証システム「Ubiden(ユビデン)」が正常に稼働するかどうか試す。
実用化されれば、充電時にスタンドでいちいち料金を支払わずに、後日、請求に応じて一括で支払うことが可能になる。充電者はスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレットに専用のアプリケーション(応用ソフト)をダウンロードすれば、充電量を確認したり、充電履歴を呼び出すこともできるという。
ユビデンが全国的に普及すれば、公共施設やホテル、レストランなどでEVの充電向けにコンセントを貸し出し、後日課金することができるため、施設管理者が“有料充電スタンド”を設置するケースが増えると期待される。「『充電スタンドが少ない』というEV特有の課題を解決できれば、EVが普及し環境負荷低減につながる」(ソフトバンクモバイルの山口典男ユビ電事業企画室長)。
19日の記念式典には、ソフトバンクや地元自治体、国土交通省関係者らが参加。APEVの福武総一郎会長(ベネッセホールディングス会長)が「来るべきEV社会の中で、ユビデンは中核を占める重要なシステムになる」などとあいさつした。