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スマホで成長するネット通販 KDDIは厳選品お届け、LINEも参入

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スマホで成長するネット通販 KDDIは厳選品お届け、LINEも参入

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LINEの森川亮社長(中央)は事業説明会でネット通販など今後の経営戦略を語った=21日、千葉県浦安市  スマートフォン(高機能携帯電話)の普及で成長が加速するインターネット通販市場に、新顔や付加価値サービスが相次ぎ登場している。

 KDDIは21日、同社のスマホから注文を受けて、専門家が厳選した商品を毎月届ける「auおまかせショッピング」を22日に開始すると発表した。化粧品やワイン、こだわり食品などを各分野の専門家がえりすぐり、月額1980円からの手頃な値段で購入者に届ける仕組みで「キュレーターサービス」と呼ばれる方式をネット通販に取り入れた。

 当初扱うのは、マッシュビューティーラボが販売する自然志向の化粧品ブランド「コスメキッチン」、食文化が提供する雑誌『dancyu』編集部長が選ぶ市場で見つけにくいワインや希少な果物・グルメ食品など。今後はフラワーアレンジメントや日本酒、コーヒー、雑貨など企業との協力を進めながら取扱商品を拡充させていく。

 料金はauの携帯電話料金とともに精算できる「auかんたん決済」で支払う。「auスマートパス」(月額390円でアプリやコンテンツが使い放題)会員は、申し込み初回月が半額になり、送料は毎回無料、定期購入の継続月数に応じたプレゼント提供などの特典もある。

 KDDI新規ビジネス推進本部の雨宮俊武本部長は、同日の記者会見で「顧客数は早期に10万人台にしたい。そうなれば黒字化できる」と説明した。

 一方、世界で2億3000万人、国内だけでも4700万人の利用者がいる無料通話・チャットアプリ(実行ソフト)サービス「LINE(ライン)」の運営会社LINE(東京都渋谷区)は今秋、衣料、雑貨などのネット通販に参入する。

 新サービスは「ラインモール」。ラインは国内4700万人の利用者のほかに、アカウントを開設、情報提供している企業や小売店も多い。同社はこれら企業にモールへの出店を促し、ネット通販の場を提供する。また、利用者同士がラインを通じて連絡を取り合い、直接、物品の売買ができるようにする。

 21日の事業説明会で、LINEの舛田淳執行役員は「誰でも、いつでも、どこでも、売り手と買い手になれる手軽さがウリだ」と話している。

 経済産業省の調査によると、2011年の個人向けネット通販市場の規模は約8兆4400億円。12年には約9兆1000億円程度に達したとみられる。

 手軽に通販サイトから発注できるスマホの普及によって、ネット通販市場の成長はさらに加速する見通し。

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