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携帯各社、電波よく届くプラチナLTE展開 次世代iPhoneの対応は?

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携帯各社、電波よく届くプラチナLTE展開 次世代iPhoneの対応は?

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 高速・大容量でこれからの主役に

 “プラチナバンド”と呼ばれる周波数帯域を使った高速データ通信規格「プラチナLTE」が今、大きな注目を集めている。

 スマートフォン(スマホ)の普及拡大でデータ通信量が増大する中、電波が混み合うことによる通信速度の低下解消の有効手段として、携帯電話各社が力を入れ始めたからだ。

 プラチナバンドとは、700~900MHz(メガヘルツ)の周波数帯域のこと。コンクリート壁も透過し、障害物を回り込む性質が強いことから、電波の浸透性が高く、GHz(ギガヘルツ)帯の電波より屋内エリアでも有利とされる。

 このため、遠い場所やビルの内部、建物や地形の影響が受けにくく、電波がよく届くことから、価値が高い周波数帯としてプラチナと表現されている。

 近年、スマホの普及とそれによるアプリの利用増などでデータ通信量が膨らみ、携帯各社にとって容量の拡大は重要な課題となっている。

 LTEサービスは、高速・大容量が特徴で、ドコモは「Xi」(クロッシィ)、auは「au 4G LTE」として800MHz、1.5GHz、2.1GHz帯で運用している。ソフトバンクは「SoftBank 4G LTE」が2.1GHz帯、傘下のイー・アクセスが1.7GHz帯で展開している。

 通信業界に詳しいITジャーナリストの法林岳之氏は、「スマホがさまざまな用途で使われる今、端末がLTEに対応しているほうがいいのは事実だ」と話す。そのうえで、「携帯電話の周波数に最適なプラチナバンドとLTEの組み合わせが今後の主流となっていくのではないか」。

 このため、すでに800MHz帯で、アンドロイド端末向けにLTEサービスを展開しているドコモとauに続き、ソフトバンクも2014年から900MHz帯で「プラチナLTE」サービスに参入するもようだ。法林さんは、「800MHzの運用歴が長いということは、それだけノウハウが蓄積されているということ。今後、プラチナLTEが主流になれば、エリアの構築やネットワークの運用で先行するドコモとKDDIが有利だ」との見方を示す。

 現在、日本で人気の高いiPhone5はメーン帯域が2.1GHzとプラチナLTE非対応。ただ、今後、次世代iPhoneがどの帯域を利用するかに注目も集まっており、携帯3社によるプラチナLTEのサービス競争はこれから本番を迎える。

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