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原田HD会長、マクドナルド社長退任 後任カサノバ氏の手腕は未知数
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日本マクドナルドの社長を退任した原田泳幸氏(左)と新社長に就いたサラ・カサノバ氏=27日、東京都新宿区のホテル 日本マクドナルドホールディングス(HD)は27日、原田泳幸会長兼社長(64)が事業会社の日本マクドナルド社長兼最高経営責任者(CEO)を同日付で退任し、後任にマクドナルドマレーシア・シンガポールの現地責任者で女性のサラ・カサノバ氏(48)が就任したと発表した。
同社は2013年12月期に2期連続の営業減益が見込まれるなど収益が低迷しており、唐突なトップ人事は、原田氏頼みの経営体制が突破力を失いつつあることを示す格好となった。
原田氏は事業会社の会長職にとどまるほか、HDのトップとしてグループ経営に専念する。カサノバ氏はモスクワ1号店の出店にかかわったほか、カナダのマクドナルドでの実績を持ち、米本社が展開する商品戦略などのノウハウを日本に積極的に取り入れる考えだ。
都内での会見で原田氏は「厳しい競合環境に新たな経営のタレントで対応する」と説明。カサノバ氏は「6カ国でのマクドナルドビジネスの経験を日本でも生かしたい」と語った。
原田氏は04年、アップルコンピューターの日本法人社長から日本マクドナルドHDの副会長兼CEOに就き、その後、HDと事業会社のトップとなった。低価格の「100円マック」の投入や不採算店の大規模な閉鎖を進め、赤字に苦しんだ日本マクドナルドを高収益体質へと転換させ、06年12月期以降、6期連続で営業増益を達成した。
だが、長引くデフレの下で低価格メニューに集客を頼る戦略には限界があり、12年12月期は減収減益に陥り、一部商品の値上げを実施。それでも13年6月中間の営業利益は前年同期よりも40%以上も落ち込んだ。
「グローバリゼーション」。原田氏は会見でこう強調した。マクドナルドが海外で展開する新メニューやオペレーションのノウハウを日本にも取り入れ、サービスと収益力の強化につなげるという意味だ。
ただ海外のノウハウは既に取り入れ、ドライブスルーや「マックカフェ」などを全国で展開しており、現路線の踏襲だけでは収益構造の改善は容易ではない。会見では新商品などカサノバ新体制の具体的な戦略は示されず、グローバリゼーションの全体像は明確にされなかった。
100円メニューや価格改定、24時間営業といった日本式戦略の効果が薄れる中、少子高齢化やコンビニエンスストアなど業界の枠を超えた競争が激化する複雑な日本市場で、「豊富な経験」を持つカサノバ氏が手腕を発揮できるかは未知数だ。