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厚さ5ミリ「極薄スマホ」も TDK、15マイクロメートル透明導電フィルム開発

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厚さ5ミリ「極薄スマホ」も TDK、15マイクロメートル透明導電フィルム開発

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世界で最も薄い透明導電フィルム(下)は、従来のフィルム(上)より軟らかい  TDKは27日、スマートフォン(高機能携帯電話)の主要部品でタッチパネルに使う透明導電フィルムについて、15マイクロメートルという世界で最も薄い厚さを実現する技術を開発したことを明らかにした。2015年春の量産開始を目指す。各メーカーは需要が急拡大しているスマホの薄さと軽さを競っているが、TDKによると従来品の10分の1ほどの薄さになる今回の透明導電フィルムを使えば、本体の厚さが5ミリの「極薄スマホ」が誕生するのも夢ではないという。

 TDKによると、世界で最も本体の厚さが薄いスマホは3年前に9.3ミリだったが、2年前には6.9ミリにまでなった。しかし、昨年は6.6ミリ、今年は6.2ミリにとどまり、6ミリの壁を前に足踏みをしている。

 TDKが世界最薄の透明導電フィルムの量産を開始する15年には、ライバル各社も追随するとみられ、スマホの厚さが6ミリの壁を突破するのは確実だ。

 スマホのタッチパネルは、液晶パネルのような表示装置と、位置入力装置を組み合わせた電子部品で、画面上の表示を押すことでスマホを操作する。タッチパネルは1~2枚の透明導電フィルムなどでできており、フィルムの薄さは本体の軽さやデザインの領域を広げる。

 今回の「極薄技術」を実現するためにTDKが活用したのは、薄いフィルム上に磁気を塗布する技術。カセット式の音楽機器やビデオ機器などに使われ、かつての主力事業の一つだった「磁気テープ」で培った技術で、「極薄の素材に何かを塗る」という共通性を利用した。

 透明導電フィルムの土台となる樹脂を薄くすれば、光を調整する膜などを均一にコーティングすることが難しくなる。塗り方にムラができると、画面を指で触れるとにじんだり、ぼやけやすくなり、スマホの性能を落としてしまう。その難題を克服したのが、世界を席巻したカセットテープの“遺産”だった。

 TDKは14年3月には法人向けも含めて「磁気テープ」事業から完全撤退する。カセットテープを受け継いだ新たな技術が、同社の屋台骨を支える事業に育つ可能性は小さくない。(小島清利)

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