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東電 50代福島派遣 「行き過ぎ」 士気低下の懸念も

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東電 50代福島派遣 「行き過ぎ」 士気低下の懸念も

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 50代の管理職を全員、福島県に異動させる東京電力の人事策の実行は、当時の管理職まで含めて原発事故に対する責任を社外に示すことになる。すでに事故当時の首脳は退陣を余儀なくされているが、「行き過ぎ」の指摘もある人事策は、士気低下を招きかねない。

 現在の東電の総合特別事業計画(再建計画)は2012年5月に政府認定され、東電は実質国有化された。同年6月末の株主総会で当時の勝俣恒久会長ら経営陣の大半が退任し、取締役の過半数は社外取締役に。退任した経営陣は、東電本店の建物に入れなくなり、影響力はなくなった。その一方、経済産業省や原子力損害賠償支援機構の意向が強く反映されるようになったのが実情だ。

 東電の従業員の給与は管理職で3割、一般職も2割削減。一般職は残業手当などがつくため一部で管理職と一般職で給与の逆転現象が起き、管理職の退職が急増した。管理職をつなぎとめるため東電は今夏、1人10万円の一時金を支給したほどだ。

 そうした努力も柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働スケジュールが狂い、再建計画は抜本的見直しを余儀なくされた。新計画では、国の支援枠が5兆円から9兆円に増額され、柏崎刈羽6、7号機の再稼働を「来年7月」と想定している。

 事故当時の管理職への責任追及を求める声は、国費の追加投入を受け、一部の社外取締役から「改革の総仕上げ」として浮上したという。

 実際、勝俣前会長らの薫陶を受けた50代の管理職を本社から外すことで「改革のめどがつく」との見方も多い。福島転勤を受け入れず、退職の道を選択する人もいるとみられる。

 「ここまでやるとは思わなかった…」。エネルギー業界関係者が絶句するほど厳しい今回の人事策だけに、東電社員の士気にも影響しかねない。福島に派遣される「元管理職」の給与は現在に比べて上積みされるもようだが、業務に対するやる気を失わせない工夫も求められそうだ。

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