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PS4、ゲーマーじらして絶好調! WiiUは新作マリオカート待ち

ニュースカテゴリ:企業の電機

PS4、ゲーマーじらして絶好調! WiiUは新作マリオカート待ち

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日本国内では3カ月遅れで発売された「プレイステーション4」。行列に並んで購入した子供たちは高々と“戦利品”を掲げた=2月22日、大阪市浪速区  主要国では最も遅い2月22日に日本国内で発売されたソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が、好調なスタートを切った。

 世界全体では1年先行して発売した任天堂「WiiU」を販売台数で逆転。PS4と同時期発売の米マイクロソフト(MS)「Xbox ONE(エックスボックス・ワン)」にも大差をつけた。次世代ゲーム機はさながらPS4の「1強」状態だが、ソフト不足解消の見通しはたっておらず、依然“転落”の可能性も残っている。

 日本のゲーマー「待ちかねた」

 「3カ月は本当に長かった。帰ったらすぐに遊ぶ」。国内でPS4が発売された2月22日。通常より3時間早い午前7時に開店した上新電機ディスクピア日本橋店(大阪市浪速区)では、午前6時に1番乗りで並んだ大阪府八尾市の専門学校生、窪田亮さん(20)が満面の笑みを浮かべた。

 窪田さんがPS4で最も期待する機能は、ボタンを押すだけでインターネットの交流サイト(SNS)につながり、自分のゲームプレー動画などをアップできる「シェア」。ソフトも3本購入、別売りのカメラを使ってシェアで「実況中継」しつつ遊ぶという。

 PS4の人気を支えているのは、窪田さんのように熱心にゲームで遊ぶ「ゲーマー」たちだ。それだけに、日本でのPS4発売が欧米より3カ月遅れると発表するとゲーマーの怒りが爆発、「日本軽視」と批判の声が噴出した。

 SCEが日本発売を遅らせたのは、市場が大きい欧米に少しでも多くPS4を回したいとの思惑が背景にあるが、実は国内ゲーム会社のソフト開発遅れの影響が大きい。ゲーマーはソフトの購買力が高く、メーカーにとって“ありがたい存在”だが、ソフト不足は「即批判」にもつながる。

 ゲーム雑誌『ファミ通』を刊行するKADOKAWAによると、PS4は発売から2日間で32万2千台を販売。平成18年発売のPS3の約4倍に上った。

 米ゲーム情報サイト「VGチャーツ」の2月22日現在(現地時間)の世界の販売台数では、日本発売分を積み増したPS4が585万台に達し、1年先行するWiiU(578万台)を逆転。エックスボックス・ワン(354万台)の突き放しにも成功した。

 PSを支えるゲーマーをじらした戦略はこうして見事に成功したが、現状を冷静に見れば、欧米での人気を国内PS4の販促に利用している状態だ。今後は魅力的なゲームの継続的な発売が必須となる。

 まだ「マリオ」頼みの任天堂

 一方、今年1月に今期の販売目標台数を900万台から280万台と、3分の1以下にまで下方修正した任天堂の「WiiU」。PS4発売の熱気冷めやらぬ2月27日、任天堂が打ち出した販売戦略に、ゲーマーの間で波紋が広がった。

 任天堂はWiiUの1世代前の据え置き型ゲーム機「Wii」について、対戦ゲームなどをネットで遊ぶ通信サービスを5月20日で終了すると発表。WiiユーザーをWiiUに移行させるのがねらいだが、ユーザーからは早速批判の声が噴出した。

 実はWiiUの命運を握るのが、5月29日発売予定のWiiU向けゲームソフト「マリオカート8」。マリオカートシリーズは人気キャラクター「マリオ」が登場するレースゲームで、シリーズ発売のたびに大ヒットを重ね、ゲーム機本体の販売を牽引(けんいん)してきた。一方、Wii用に発売された「マリオカートWii」は世界で3千万本以上を販売、多くのファンが今もネットを通じた対戦プレーを楽しんでいる。

 専門家は「いまだにWiiで遊んでいる人が一定数いることがWiiU不振の要因の一つで、マリオカート8は移行を進めるきっかけにはなる」と任天堂の戦略は妥当と指摘。ただ、「WiiU本体を買ってまでマリオを遊びたいファンがどれだけいるかが鍵」ともみる。マリオカートが期待通りのヒットにつながらなければ、WiiU立て直しはさらに困難となる。

 とはいえ、マリオは1985年に誕生した人気シリーズ。約30年前からのヒット商品しか頼みの綱がない、任天堂の「マリオ頼み」はいつまで続くのだろうか。

 Xboxは日本発売されない?!

 一方、MSのエックスボックス・ワンは、日本での発売日がいまだに決まっていない。MSは日本での発売を示唆してはいるが、ゲーマーの間では「日本では発売されないのでは」との疑念が消えていない。

 旧世代機「Xbox360」は北米市場を中心に大ヒットしたが、日本で売れたのは160万台程度。一部の根強いファンからは支持されているが、費用対効果を考えれば、MSが日本市場を「軽視」するのも、やむを得ないといえる。

 こうして「役者」がそろいそうにない日本では、次世代ゲーム機戦争は海外とは違う展開になりそうだ。手軽に楽しめるスマートフォン(高機能携帯電話)向けゲームの人気も高く、専用機の売り上げが今後どこまで伸びるかは未知数といえる。

 KADOKAWAの浜村弘一常務は「日本と海外はユーザーの好みが異なる。日本での売り上げは国内向けゲームをいかにそろえることができるかにかかっている」と強調する。ただ、国内ゲーム会社はスマホ向けゲームへのシフトを強めており、PS4やWiiUのソフトは当面不足気味になる見通しだ。

 だがPS4の世界的ヒットにより、国内のゲーム会社もPS4向け開発に積極的に動き出したとの情報もある。今後のソフト展開がゲーム機戦争の行方を左右しそうだ。(藤原直樹)

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