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百貨店、消費増税駆け込み反動対策 買いだめ困難で「食品」鍵握る
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4月の消費税率引き上げまで、1週間あまりとなった。高額品を中心に駆け込み需要が業績を押し上げる百貨店だが、4月以降は駆け込み購入の反動で売り上げの減少も懸念される。駆け込み商戦が山場を迎えるなか、増税後の反動減を最小限に食い止める取り組みも動き始めている。
「4月から使えるクーポンをお渡ししています」
東京都中央区の日本橋高島屋で20日、女性店員がクーポンを差し出した。高島屋各店では25日まで、5000円以上の買い物客に4月中に使える1000円分のクーポンを配布している。3月に駆け込み購入した消費者に4月の来店を促す狙いだ。
松屋銀座本店(東京都中央区)は増税にあわせ24年ぶりに地下の食品売り場を大幅改装する。古屋毅彦本店長は「増税直後は厳しい消費環境になるが、ある程度の時間がたてば贈り物やハレの日の出費は惜しまない」と指摘。限定の和洋菓子や生産方法にこだわった農産物を充実させ、売り場の上質感を演出する。ゴールデンウイーク直前の4月25日に改装を終え、反転攻勢に打って出る。
買いだめが難しく、幅広い層が利用する食品は各社が反動減対策の核に位置づける。西武池袋本店(同豊島区)は4月1日からカード会員を対象に、食品の購入額に応じたポイント付与を始める。小田急百貨店新宿店(同新宿区)は例年3月に行っていた四国の物産展を4月2日から開催。毎年4月に実施する福岡県の物産展と合わせ、集客の柱に据える。
増税の影響がない訪日外国人に照準を合わせるのは大丸松坂屋百貨店。各店で訪日客に折り鶴をプレゼントするほか、大丸東京店(同千代田区)では、4月1日から切り子のグラスなど訪日客に人気の商品を並べたコーナーを設ける。
日本百貨店協会によると前回増税の1997年、全国百貨店の既存店売上高は駆け込み需要で3月が前年同月比23%増となった一方、4月は14%減、5月も5.1%減と落ち込みが続いた。
同協会の井出陽一郎専務理事は「今回は経済環境も変化し賃上げの動きもある。反動減が長引くことはないのではないか」と話すが、前回の教訓があるだけに各社とも取り組みに余念がない。