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原電「八方塞がり」打開へ大物投入 東電エリートの真価試される

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原電「八方塞がり」打開へ大物投入 東電エリートの真価試される

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村松衛常務執行役  日本原子力発電(原電)の副社長職は長年、生え抜き社員が占めてきたが、その慣例を破ってまで、筆頭株主の東京電力があえて村松衛常務執行役を送り込むのは、「八方塞がり」(大手電力関係者)の原電の経営状態を抜本的に見直す必要が出てきたからだ。

 原電は、茨城県の東海第2原発(出力110万キロワット)、福井県の敦賀原発1号機(35万7000キロワット)、同2号機(116万キロワット)を保有しているが、原子力規制委員会は敦賀2号機の直下に活断層があると判断するなど、3基とも再稼働のめどが立たない。

 同社は、東電や関西電力など5社に電力を卸売りしていたが、現在は発電量ゼロ。しかし5社は、原発の保守点検費用や人件費として、毎年1000億円を超す「基本料金」を原電に支払っており、2014年度も継続する。

 ただ、電力各社は長引く原発停止で財務状態が大幅に悪化。北海道電力と九州電力は、日本政策投資銀行から500億~1000億円規模の出資受け入れを検討するなど経営環境は厳しさを増している。原電の保有原発が再稼働できなければ、各社は原電支援を続けられなくなる。

 原電には、原発を持たない沖縄電力を除く電力9社などが出資。東電の出資割合は13年9月末時点で28.23%と2位の関電を約10ポイント上回る。だが、経営再建中のため、原電が銀行団から借り入れている約1000億円の債務保証を引き受けられず、関電など4社に任せた。

 このため、“大物”の村松氏を送り込むことで、金銭的支援の代わりに人的支援を強化することにした。

 原電の将来については、原発の再稼働が厳しくなる中、一部アナリストからは「廃炉専門会社」への転換を促す声や、敦賀3、4号機予定地に火力発電所を建設する案も出ている。

 村松氏は、他の幹部や監督官庁と調整しながら、原電の生き残り策を模索しなければならない。東電エリート幹部の真価が試されそうだ。

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