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トヨタ&ダイハツ、ファンづくり本腰 “若者のクルマ離れ”などに歯止め
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ダイハツ工業が発売した軽自動車の新型スポーツカー「コペン」 自動車メーカーが自社ブランドのファンづくりに本腰を入れている。納車後は整備・点検ぐらいしか関わらなかった従来のビジネスモデルを転換し、ファンイベントを主催したり生産者と交流する機会を設けたりするなどユーザーと接触する機会を増やす。メーカー側から積極的に距離を縮め、若者のクルマ離れや消費税増税後の需要低迷で国内市場が縮小する傾向に歯止めをかけたい考えだ。
ダイハツ工業は着せ替えができる軽自動車のオープンスポーツカー「COPEN(コペン)」の発売に合わせ、約70カ所の認定店で選任スタッフが着せ替えの仕方などをアドバイスするほか、星空ドライブといったイベントを主催する。
7月以降は大阪府の池田工場に設けた生産ラインをユーザーが見学できるようになる予定。三井正則社長は「コペンを材料にして、車好きが集まれる環境をつくりたい」と説明する。
トヨタ自動車も9月、小型スポーツカー「86(ハチロク)」ファンを対象に北海道の十勝サーキットを貸し切り、1泊2日で走行練習するイベントを開催。三菱自動車も8月、静岡県の朝霧高原で自社SUV(スポーツ用多目的車)で出かけるキャンプを行う。
車のオーナーが自発的に開く交流会は従来もあったが、メーカー主催のファンイベントは少なかった。ただ、少子高齢化で新車需要は減退し、今年度は特に消費税増税で販売が落ち込む見通しだ。ダイハツの堀井仁営業本部長は「グッズの販売や有料イベントへの参加も見込める」と相乗効果を期待しており、収益を下支えするファンづくりの取り込みは広がりそうだ。