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入浴シーンはNG? 米国版「ドラえもん」はどう変わる

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入浴シーンはNG? 米国版「ドラえもん」はどう変わる

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ジャイアンとスネ夫がロボットに食事をさせるシーン。はしは米国版でフォークに替わり、すしも米国風の食べ物にアレンジされている(c)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK  ■のび太の0点答案→F/入浴シーン→協議中/しずかちゃんの「人形」→「日記」/石焼き芋の屋台→ポップコーンの移動販売車

 7月、米国で初めて放送される人気アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)。米国の習慣に合わせて登場人物の名前や作画、映像を変える「ローカライズ」が行われるが、これには日米の文化の違いが反映されていて興味深い。ローカライズで「DORAEMON」がどう変化するのかをまとめてみた。(本間英士)

 ローカライズとは、登場する地名などを現地風に変えたり、声を吹き替える作業のこと。放送する地域の習慣や宗教に合わせて、映像やエピソードの一部を差し替える場合もある。特に米国の基準は厳しく、宗教上のタブーや人種差別的表現はもちろん、人に拳銃を向けたり、たばこを吸うシーンも一切だめ。また、性的な場面でなくても児童の裸は基本的にNGだ。

 ドラえもんはこれまで世界35カ国・地域で放送されてきた。ウォルト・ディズニーの子供向けチャンネル「ディズニーXD」で7月7日から放送が始まる米国版では、舞台は米国の架空の場所に設定され、のび太は「ノビー」、ジャイアンは「ビッグ・ジー」などに“改名”。どこでもドアが「エニーウエアドア」になるなど、「ひみつ道具」の名称も変更される。

 エピソードは、アメリカの子供たちが好む冒険の話や、イソップ物語など欧米の古典を下地にした話を多く取り上げる。さらに、日本版でしずかちゃんが人形を持っている場面では、「自立した女子に見せる」ため、人形を日記に差し替えて描写するという。

 ほかにも食事場面のはしはフォークに変わり、オムライスはパンケーキに変更。しずかちゃんの好物の石焼き芋の屋台は、ポップコーンの移動販売車になり、のび太がよく取る0点の答案は落第を意味する「F」に変わった。「お約束」の一つでもあるしずかちゃんの入浴シーンについては、テレ朝の赤津一彦アニメ戦略担当部長は「協議中。視聴者の反応を見ながら判断する」と話す。

 ローカライズには基本的にディズニー社が行った市場調査の結果を反映させているが、変えなかった部分もある。ドラえもんが好物のどら焼きをパクパクと何個も食べるシーンについては、米国側から「子供の肥満につながる恐れがあるので、好物を野菜クッキーに変えた方がいいのでは」と提案があった。日本側は「作品観が崩れる」として受け入れなかったが、どら焼きの名前は「ヤミーバンズ(おいしいパン)」になった。

 「米国側の健康に対する徹底ぶりには驚いた」という赤津部長は、「米国風にローカライズしても『ドラえもん』のもつ世界観や日本的なメンタリティーは共通している。今後はこのローカライズされたドラえもんを世界に向け発信していきたい」と話している。

 ■アトムは「アストロボーイ」 最近は日本版のまま放送も

 ローカライズの歴史は、昭和38年に米国で放送されたアニメ「鉄腕アトム」にさかのぼる。登場人物の名前は米国風に、題名も「ASTRO BOY」(アストロボーイ)と変更された。このスタイルはその後踏襲され、「マッハGoGoGo」「マジンガーZ」など欧州やアジアで人気を博した多くのアニメで人物名が変更され、主題歌が現地の歌に差し替えられた。ただ、近年は海外のアニメファンから「本物」を求める声が高まっており、名前などが日本版のままで放送されるケースも多い。

 ユニークなローカライズ例が、2012年にインドで放送された「忍者ハットリくん」だ。現地は停電が多いため、ハットリくんが自作の「伊賀流エレキテル発生箱」(ペダル付き足踏み式発電機)を使い、停電から復旧させるというエピソードが追加された。

 日本動画協会によると、日本のアニメを海外展開する際に問題になっているのが、海外のアニメファンが勝手に字幕をつけてネットで違法配信すること。松本悟専務理事は「業界全体で対策を練らなければならない」と話している。

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