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燃費にこだわったトヨタ「パッソ」 「ガソリンエンジンはまだまだ重要」
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トヨタが次世代エンジン採用した主な技術
--「パッソ」の一部改良モデルは燃費性能が30%向上し、ガソリン1リットル当たり27.6キロとなった
「今回の一部改良はエンジン、中身を大改良していて全面改良に近い。(停車時にエンジンを止めて燃費効率を高める)アイドリングストップも標準装備しており、2010年に出したモデルよりも商品力を向上させた」
--開発でこだわった点は
「やはり燃費だ。免税ということにこだわった。どうせ良くするなら、ガソリン仕様の登録車ではナンバーワンの燃費性能にして届けたいという気持ちが強かった」
--トヨタにとってのパッソの位置付けは
「04年に誕生してから約10年がたったが、オールトヨタの中で最も小さく、安価なポジション。その下は軽自動車しかない。軽との接点にある重要な車種という位置付けは今も変わっていない」
--ここ1~2年は軽自動車に押されている
「各社の軽に一通り乗ったが、良いモデルを出している。軽は維持費が得というのもあるだろう。一方で、軽に乗ってみたものの、結局はやめる人もいる。軽は夏場はエアコンの効きが悪く、坂道などでも余裕がない。軽に流れたユーザーをパッソに引き込みたい」
--ハイブリッド(HV)モデルは採用しなかった
「ガソリンエンジンは価格が割安。HVは低燃費を実現できるものの『飛び道具』の側面もある。HVの価格面や電池の生産能力なども含めて考えると、ガソリンエンジンにできる領域はまだ多い。安く提供できる技術でもあり、その役目はまだまだ重要だ」
--高齢者もターゲットだけに、ペダルの踏み間違いによる事故を防ぐ機能や自動ブレーキ機能が欲しかった
「正直なところ間に合わなかった。事故が少しでも減るように、技術開発を現在進めている」
すずき・としお 慶大大学院工学研究課程修了。1984年トヨタ自動車入社。エンジン開発を中心に担当し、2000年1月から製品企画本部。海外モデル「ヤリス」の開発のほか「ポルテ」「スペード」も手がける。10年2月から「パッソ」の開発責任者。愛知県出身。