和田 OBCが現在、開発し提供している「奉行シリーズ」は、「勘定奉行」と「給与奉行」「人事奉行」といった基幹業務系のコアの部分に絞っている。顧客層は幅広い業種にわたっており、その業種別のシステムについては専門のソフト開発会社の得意分野。我々が、そうした個別の業務にまで手を広げようと考えたことはない。専門メーカーとパートナーとして提携し、基幹業務システムと個別の業務システムを連携させることで顧客にとって導入しやすく、高い操作性と生産性向上を実現してきた。いわばOBCは“作家”でありコンテンツを開発している。それを書籍にするか、デジタル化して提供するか。これはパートナーが顧客のニーズに対応してシステム化していくプロセスと同じと考えている。それは企業のBCP(事業継続性計画)対策や運用負荷軽減を図るというニーズに対応して、安心・安全なクラウドに対応するということも同様だ。あくまでもOBCとして「選択と集中」を進める中で、基幹業務パッケージに特化していくという方針は揺るがない。
――消費税10%、マイナンバー制度、さらに人事面では従業員50人以上の事業場を対象に年1回のストレスチェックが義務化されるなど会計・人事労務パッケージシステムにも変更が求められ、OBCにとってはビジネスチャンスにもなる。
和田 消費税の10%への引き上げは、まだ正式には決定していないが来年にも実施されるかもしれない。今回の引き上げでは、食料品など分野によっては軽減税率が適用される公算も高まっているが、これも正式に決定しているわけではない。ただ、それに向けた準備は必要になる。マイナンバー制度に関しては、来年10月から個人、法人に対して固有番号の付与が始まり16年1月から本格的な運用が始まるスケジュールになっている。今回、これにタイミング的に重要なのが、来年7月にWindows Server 2003の保守サービスが終了することだ。
Windows XPのサポート終了でも結果的には間際になって、更新需要が集中するという現象が起きたが、我々としても新制度対応とサーバーOSの保守終了を睨んで顧客に対して適切に提案していきたい。
最近のトレンドで重要なのが、「メンタルヘルス対策」と「人材育成」「タレントマネジメント」になる。少子化で労働人口が減少し、人材をどのように確保するかが企業にとって大きな課題となる。それと同時に高齢者雇用への対応も必要だ。適切な人材活用ができなければメンタルヘルスを損なう従業員も出てくるだろう。そのため定期的なストレスチェックが義務化されることになったわけだ。
こうした人事制度面に影響を与える変化に対して、人事労務パッケージシステムも対応していかなければならない。こうした最新のIT革新や社会環境への変化に対して、「奉行シリーズ」としてどのようにソリューション対応していくか、最新トレンド情報の提供と合わせて10月9日に名古屋会場からスタートする「奉行フォーラム2014」で見てほしい。
将来も変わらずに「勘定奉行におまかせあれ」
――コンピューター技術の進展、制度の変更、経済情勢の変化と企業を取り巻く環境の変化が目まぐるしい。「奉行シリーズ」はこれからどのように進化していくのか。
和田 社会は常に変化している。OBCはこれまでも様々な変化に対応してきた。常に最新のソリューションを提供していくために、開発の手綱を緩めることはない。急激な変化が起きている中で、撤退していくソリューションベンダーも出てくるかもしれない。しかしOBCは、累計56万社の導入実績があり、また常に顧客満足度でトップを占めてきた。そうした顧客の信頼に応えていく義務があり、それが我々として社会貢献だと考えている。先ほども言った「選択と集中」で基幹業務パッケージに特化する姿勢は変わらないが、中堅中小企業でもグローバル対応が求められている。それはIFRSといった国際会計基準への対応も重要であり、グローバル展開の際にも基幹業務の効率化は不可欠だ。そのために「奉行シリーズ」としてもグローバル対応というチャレンジを図っていく考えだ。 「勘定奉行」の歌舞伎役者が登場するテレビCMが浸透し我々のブランド力も向上したが、CMの台詞の最後はこれまで常に「勘定奉行におまかせあれ」。この台詞は我々の一貫して変わらない方針と顧客第一主義を表現している。