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“プレミアム”投入で缶コーヒーの逆襲なるか 老舗ダイドーの熱意、キリンは二極化対応

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“プレミアム”投入で缶コーヒーの逆襲なるか 老舗ダイドーの熱意、キリンは二極化対応

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ダイドードリンコの「泡立つデミタスエスプレッソ」  コンビニエンスストアでいれ立てのドリップコーヒーが飲める「カウンターコーヒー」のヒットなどで最近、押され気味の缶コーヒー。だが、メーカー各社も手をこまねいているわけではない。消費者の多用なニーズに対応すべく、従来の商品より高品質をうたった“プレミアム缶コーヒー”を続々と投入し始めた。いずれも高級感、本格感を前面に出し、巻き返しを図ろうとしている。“プレミアム缶コーヒー”に参入する各社に、その思惑を聞いてみた。

サントリーの技術を結集、キリンは二極化

 高級豆を極限までひいた「微粉砕コーヒー」をブレンドし、ボス史上最高峰のコクを実現したのがサントリーの「プレミアムボス」だ。「微粉砕コーヒーは当社の技術を結集したものです。缶コーヒーの品質を保つためには、豆のカスなどの有機物を除去しないと、どうしても後味の悪さやザラザラ感が出てしまうという問題がありました。今までに出せなかったコクやうまみを出したのがプレミアムボスの特徴です」(サントリー食品インターナショナルコーポレートコミュニケーション部)。

 価格を従来の130円に据え置いたことについては、「高級の豆を使ってコクも深めて『プレミアム』という名前を付けていますが、やはり普段、飲まれているお客さまに気軽に買って楽しんでいただきたいという気持ちがあります」(同)という。

 一方、高価格、高付加価値で勝負するのがキリンビバレッジだ。品質の高い素材を厳選し、製法にとことんこだわった「キリン 別格」ブランドを新たに立ち上げる。そのうち「キリン 別格 希少珈琲」は、ブラジル産の希少黄金豆「ブルボン・アマレロ」を100%使用し、甘みがありながらカロリーがほぼゼロの「希少糖」を採用。値段も“別格”といえる200円(375グラム)という設定だ。

 「当社の事前の調査では、高価格帯と低価格帯の消費の二極化が進んでおり、高くても高品質なものにもそれなりのニーズがあると見ています」(広報)。従来の缶コーヒー「ファイア」ブランドも並行して展開していく。

 缶コーヒーにかける 老舗ダイドーの情熱

 缶コーヒーの“老舗”を自任するダイドードリンコは、従来の缶コーヒーとは一線を画した「泡立つデミタスエスプレッソ」を発売している。振るだけでまるでいれたてのエスプレッソコーヒーが味わえる独自製法を採用。厳選された5カ国のコーヒー豆を通常の2倍以上使用(コーヒー規格[内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で5グラム以上]の下限値との比較)しており、カフェで使用されるエスプレッソマシンを工業レベルで忠実に再現したリアルエスプレッソ抽出機を使用している。

 同社マーケティング部の坂本大介さんは「コーヒーの業態が多様化する中で、どうしても缶コーヒーの価値が薄く感じられてしまいがちです。そこで、『缶コーヒーでもここまでおいしくできるんだ』ということを徹底追求することで価値を上げていこうと思っています」と話す。同社の“プレミアム缶コーヒー”に対する情熱は強く、「当社としては今までの缶コーヒーのイメージをいい意味でつぶしていきたい。缶コーヒーに、もっともっと価値、新しさ、興味というものを持ってもらえるように。また、それを牽引していく存在であっていきたいという意識を強く持っています」と力を込める。

 コンビニの「カウンターコーヒー」が好調とはいえ、缶コーヒーには、いつでもどこでも手軽に飲めるという利便性がある。これに高級感、本格感を付加した“プレミアム缶コーヒー”は、新たな市場としてこれからのトレンドとなっていきそうな兆しがある。各社の狙いや投資状況などを考えると、プレミアム缶コーヒー市場が今後のコーヒー市場全体の勢力図を大きく塗り替えていくことになるかもしれない。

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