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「マッサン」北海道ロケに同行 大阪編とは違う“夫婦仲”に注目
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「マッサン」の撮影リハーサルに臨む玉山鉄二さんとシャーロット・ケイト・フォックスさん=北海道余市町
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広島、大阪を舞台にした序盤が高視聴率を獲得しているNHK連続テレビ小説「マッサン」。来年の放送からは舞台を北海道に移し、主人公たちが本格的にウイスキー造りに奮闘する。今月23日に北海道余市町で行われたロケに同行し、一足先に物語後半をのぞいてみた。(本間英士)
「大丈夫ですか? みんな、少し難しい顔」
リンゴ畑が広がる余市町のロケ現場。主人公のエリー役、シャーロット・ケイト・フォックスさんは取材陣にそう日本語で語りかけ、場を和ませた。
米国出身のシャーロットさんはドラマのオーディションで初来日。日本語習得に苦労していたようだが、この日のアクセントは自然だった。制作統括の桜井賢チーフ・プロデューサーは「新しい日本語や日本の文化を毎日覚えていく」と驚き、連日にわたる撮影の成果が出ているようだ。
取材陣に公開されたのは、玉山鉄二さん演じる「マッサン」こと政春とエリーが、リンゴジュースを製造するため、リンゴ農園を訪れるシーン。リンゴの木が植えられた下り坂で、玉山さんは、足を取られたシャーロットさんの手を取り、優しくエスコート。撮影を通じて“夫婦仲”が深まっていることをうかがわせた。
「マッサン」は、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝さんと、その妻でスコットランド人のリタさんの生涯をモデルに、マッサンとエリーが北海道で製造した国産ウイスキーを出荷するまでをドラマ化する。現在は大阪を舞台に、国産初のウイスキーを創出する鴨居(堤真一さん)らとの交流が描写されている。
物語の後半に入り、独立したマッサンは余市に工場建設を決め、まずはリンゴジュースの製造に乗り出す。ウイスキー造りには熟成が欠かすことができず、準備には時間と資金が必要だからだ。桜井さんによると、北海道編のテーマは「故郷」。マッサンとエリーが困難を乗り越え、新天地に「新たな故郷」をつくる様子が描かれる。
桜井さんは「ヒロインが外国人の朝ドラは初めてだが、登場人物たちが苦労を重ねながら成長していくという朝ドラの根幹は変わっていない」と説明。玉山さんは「北海道編ではマッサンの夢が明確化され、エリーとの絆も強まる。大阪編とは違う形で、夫婦の力強さをお見せできる」と期待を込めて語った。
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初の外国人ヒロインという挑戦に出た「マッサン」だが、NHK大阪放送局には「エリーを見ているとすがすがしくて心が洗われる」「かわいくて演技もうまい」などと好意的な意見が寄せられているという。
早稲田大の岡室美奈子教授(テレビ文化論)も「放送前は外国人ヒロインで大丈夫かな、と思っていたが、主役2人がさわやかで、軽やかな展開も良い。2人の壁になる政春の母やエリーのライバルがいることで、視聴者がエリーに共感を抱きやすくなっている」と評する。
ドラマ序盤では、「外国人」に対する周囲の戸惑いや反発が丁寧に描かれた。放送1週目は政春の母、早苗(泉ピン子さん)が2人の結婚に大反対。語気を荒らげてエリーを拒んだかと思いきや、泣き落としで説得を試みる泉ピン子さんの演技力と存在感が際立っていた。また、広島から大阪に舞台を移した2週目では、「いいなずけ」の政春の帰りを待ちわびていた優子(相武紗季さん)がエリーに嫌がらせ。みそ汁にしょうゆを入れるといった「いびり」場面も挿入された。その後、2人は仲を深めており、外国人という「新奇さ」と、いびりから和解へという「定番」を絶妙に組み合わせたことがエリーのヒロイン力を増幅させているのかもしれない。
岡室教授は「玉山鉄二さんのコメディータッチの演技も新鮮で、エリーの存在感を際立たせている。堤真一さんをはじめ、周囲の人物もコミカルに描かれており、テンポの良さが目立っている」と話している。