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“稼ぐ空港”へ国際線ビジネス客囲い込み 関空が法人会員向けサービス

ニュースカテゴリ:企業のサービス

“稼ぐ空港”へ国際線ビジネス客囲い込み 関空が法人会員向けサービス

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ビジネス客の利用促進を目指す関西国際空港の第1ターミナルビル  新関西国際空港会社が、関西国際空港の国際線を利用するビジネス客の囲い込み戦略を強化する。来年度に法人会員サービスを国内空港会社で初めて導入し、保安検査場の優先レーン利用などの特典を売りに会員企業を募る。関空では外国人観光客の利用が増えているが、旅行会社が航空券をまとめ買いするため薄利多売だ。一方、ビジネス客は定価購入が多く、ファーストクラスやビジネスクラスの利用もあって利益が大きい。伊丹(大阪)空港を含めた運営権売却の準備が進むなか、“稼ぐ空港”への取り組みが加速している。(中山玲子)

 企業丸ごと囲い込み

 「これまで観光客を誘致する施策を打ってきたが、これからはビジネス客にも力を入れる」

 11月、来年4月にスタートする法人サービス「グローバルビジネスクラブ」の発表会見で、新関空会社の担当者はこう強調した。

 新サービスは、法人会員となった企業の社員のうち関空を利用する海外出張者が対象。来年度にも設置予定の出入国時の保安検査場の優先レーン「ファストレーン」を利用できる。

 さらに搭乗距離などに応じて企業単位のポイントがたまる仕組み。保有ポイントで空港ラウンジの利用や免税店のクーポン券、タクシー券と交換できるほか、ターミナル内での企業広告を掲載することも可能になる。特典を通じて会員企業の海外出張者を丸ごと関空で囲い込む。

 法人会員サービスは航空会社で導入するケースはあるが、国内の空港会社としては初の試み。数年前から関西経済連合会や大阪商工会議所などと連携し、企業の要望などを取り入れながらサービスのあり方を検討してきた。

 年会費はカードの発行枚数に応じて設定される。200枚発行で20万円、100枚発行で10万円、10枚発行で5万円(いずれも税抜き)。新関空会社は関経連や大商の会員企業を中心に利用を呼びかけ、初年度の会員企業数は100社を目指す。

 おいしいビジネス客

 新関空会社がこうした取り組みをする背景には、欧米に出張する関西のビジネス客の関空離れがある。

 関西から北米に向かうビジネス客は年間約60万人に上るが、約半分が成田、羽田の首都圏空港を利用しているのが実情だ。大きな要因は、関空に就航する北米線の少なさといわれる。関空の国際線は、ピークだった平成11年夏期には北米9都市に就航していたが、撤退が相次ぎ、今ではサンフランシスコの1都市にとどまる。8年には13都市に就航していた欧州線も現在6都市だ。

 もともとビジネス客は空港会社や航空会社にとって利益幅が大きい。関空の国際線では外国人利用客が平成26年度上期(4~9月)に過去最高を記録したが、伸びを支えるのはアジアを中心とした訪日外国人観光客だ。ただ、旅行会社が団体・個人旅行を大量購入する観光客向け航空券は単価が低く、薄利多売になる傾向がある。

 一方、ビジネス客は割引なしの定価で購入するケースが多く、ファーストクラスやビジネスクラスを利用することも多い。さらに観光客の場合、季節などで浮き沈みが激しく、東日本大震災やSARS(重症急性呼吸器症候群)、鳥インフルエンザといった不測の事態によって利用が大きく減る可能性がある。安定した収益を得るためにはビジネス客の囲い込みは重要なのだ。

 就航都市も増加か

 実は関空の北米路線など長距離路線は、就航都市数に増加の兆しがみられる。来年3月、日本航空が約8年半ぶりにロサンゼルス便を、エア・カナダが同年5月には、約7年ぶりにバンクーバー便をそれぞれ復活させる。「かつてのジャンボ機の時代は450人程度の客を乗せなければ採算が取れなかったが、最近では航空機の小型化が進んで、低コストで運行しやすくなった」(新関空会社)ことも背景にある。

 関西経済圏の地盤沈下とともに関空のビジネス客は減少傾向が続くが、新関空会社は「手をこまねいているわけにはいかない」と、企業丸ごと囲い込みに動くことになった。関空はここ数年、アジアを中心に外国人観光客増加で成長を加速させてきたが、空港会社で初の試みでビジネス客の増加が見込めるか-。

 手続きの準備が進む運営権売却で高値落札を実現するためにも“稼ぐ空港”として評価されることは重要だ。今回の法人会員向けサービスの導入が空港価値向上の試金石になるかもしれない。

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