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再生医療団体、米と提携 月内にも国際標準化の先導狙う
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医療機器や製薬、損害保険会社などで作る企業連合「再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)」が、米国の同様の組織「再生医療連合(ARM)」と今月中にも提携する方針を固めたことが7日、分かった。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究や情報交換を進めるとともに、利用ルールなどの国際標準化に取り組み、日米が主導して再生医療技術の世界的な普及を目指す考えだ。
細胞や組織を移植し、病気やけがで失われた機能を回復させる再生医療は技術的には発展途上にあり、国内での利用促進には臨床研究などに関する法律や保険制度などの見直しが必要とされている。また、治験や認可などに関する日本の制度は米国や欧州と異なる面があり、各国の再生医療技術が国際的には円滑に利用できないことが課題となっている。
日本と米国は再生医療の技術・研究で世界最先端のレベルにあり、日米の組織は共同で規制緩和やルール作りに取り組み、再生医療の普及に向け細胞培養の技術や治験などをめぐる規制の国際標準化を急ぐ。
また、日本企業は米国の再生医療団体などに加盟しないと米国の最新技術に関する情報などを得られなかったが、提携によって情報交換が素早くスムーズに行えるようになる見込みだ。「最先端の情報を対等に共有できれば技術開発で大きなメリットになる」(関係者)という。
国内では、自己培養の表皮や軟骨といった再生医療関連製品の治験を短縮する改正薬事法などが2014年11月に施行されたこともあり、再生医療に関わる企業の間では「ルール作りで日本が世界をリードできれば、再生医療技術だけでなく医療機器や細胞培養などを含めた市場を世界で創出するチャンスになる」との期待が高まっている。
FIRMは再生医療の早期実用化を目指し、11年に設立された。武田薬品など製薬大手や内視鏡大手のオリンパス、細胞培養技術を持つ川崎重工業、三井住友海上保険など約100社が参加。装置・材料の開発や安全基準の立案、関連する保険制度作りなどに取り組み、再生医療の普及に向けた技術開発から社会制度まで幅広い課題の解決にあたっている。ARMは09年に発足し、現在は140を超える企業や大学などが参加している。